研究課題
本研究は、世界初の開放型PET「OpenPET」を発明し、従来技術では不可能であった、PETでみながらの放射線治療やPETでみながらの外科手術の実現を目指した。初期アイディアの二重リング方式(2008年発表)は、より治療イメージングに最適化された単一リング型の第二世代OpenPETへ進化した(2011年発表)。そこで本研究では、第二世代OpenPETの実現や発展に不可欠な革新的要素技術を集約的に研究し、中型試作機を開発して実証を行った。最大の特徴は、検出器ユニットを独立して軸方向にスライドするようにして、通常のPETとOpenPETを自在に切り替えられるようにする点である。リング直径は25cm前後にして、ウサギ等の比較的大きな動物を測定できるようにした。並行して、第二世代OpenPETに特化した画像再構成手法の開発や、粒子線照射場での安定性を高めるために必要な高性能放射線計測回路の開発や放射化影響の対策など、可変型第二世代OpenPETの要素技術開発を行った。また、OpenPETの応用を広げる技術として、腫瘍トラッキングシステムの開発や粒子線治療での「その場」がん性状計測法の研究も行った。具体的な研究実績は以下のとおりである。(ア)可変型第二世代OpenPETの要素技術開発:(ア-1)画像再構成手法開発:中型試作機へ実装。ファントム実験等で性能評価。(ア-2)高性能放射線計測回路開発:耐放射線性能を向上させたCMOSのASICの実装。(ア-3)放射化影響対策:照射中の放射化量の測定。(イ)腫瘍トラッキングシステムの開発:腫瘍トラッキングシステムのパラメータ最適化と中型試作機への実装。(ウ)粒子線治療での「その場」がん性状計測法の研究:開発する中型試作機を用いた動物実験。(エ)中型試作機開発・実証試験[放医研]:ガントリ開発、試作機組み立て、評価実験。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Phys. Med. Biol.
巻: 61 ページ: 1795-1809
10.1088/0031-9155/61/4/1795
巻: 61 ページ: 1875-1887
10.1088/0031-9155/61/5/1875
http://www.nirs.go.jp/usr/medical-imaging/ja/study/main.html
http://www.nirs.go.jp/research/division/mic/eng/group/t_imaging-butsuri.html