研究課題/領域番号 |
25242054
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
出江 紳一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80176239)
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研究分担者 |
竹内 直行 東北大学, 大学病院, 助教 (10374498)
近藤 健男 東北大学, 大学病院, 講師 (30282130)
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50292222)
大内田 裕 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80510578)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ブレインマシンインターフェイス / ニューロモデュレーション / 電気刺激 / 磁気刺激 |
研究実績の概要 |
社会脳機能に関連するタスク中に頭部を固定する必要のないウェアラブル光トポグラフィ2台を用い、行動を制限しない自由な条件下で前頭部の脳活動を2人同時に測定を行った。タスクとして携帯ゲーム機を用いた教育-学習課題を行い他者間脳活動の評価を行った。社会脳機能は信頼度や親しさの要因と強く関連するため、知り合い同士における脳活動測定は避け被験者の社会的背景を考慮したタスク課題の検討を行った。得られた波形からWavelet coherence法を用い他者間に共通する脳活動部位およびに周波帯域を解析中である。また脳血流のデータから先生役の左前頭前野の活動は上手に教えることができたというメタ認知と相手が課題を理解できているという理解度の推測の差とに関連を認めた。このことは左前頭前野がメタ認知と心の理論から得られた情報を統合し、生徒役への教育に役立っているものと推測された。また光トポグラフィ装置を用いて歩きスマホ中の前頭部の脳活動を調べ、スマホ操作および歩行変化との関係性を評価した。その結果、歩きスマホ中に若年者と高齢者ともに前頭部が活性化する傾向を認めたが、若年者は左の前頭部が活性化する人ほど歩行中のスマホ操作を上手に行うことができ、また、右の前頭部が活性化する人ほど歩きスマホ中に安全な歩行を選択する傾向にあった。一方、高齢者は歩きスマホ中に前頭部が活性化しても、歩きスマホ操作は上手に行えず安全な歩行にもつながらないことが解明された。今後ブレインマシンインターフェイス技術を利用し脳活動に合わせた脳刺激を行い、認知・運動変化を誘発できるか検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の柱となる他者間脳活動測定が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
社会脳機能タスクで活性化を認めた大脳皮質部位に興奮性経頭蓋直流電気刺激を投与することで共感および心の推論機能が改善するか評価する。社会脳タスク時に他者間脳活動同時計測で解析したシンクロした脳活動周波数と同じ周波数の振動性経頭蓋直流電気刺激を2人ペアに同時に実施し共感能力・心の推論機能の変化を評価する。また社会脳に限らず振動性経頭蓋直流電気刺激を行うことで、他者間での運動性の同期が促進されるか比較検討を行う。
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備考 |
http://www.reha.med.tohoku.ac.jp/
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