研究実績の概要 |
機能的磁気共鳴画像 (fMRI) および脳波 (EEG) によって測定した体性感覚の時間順序判断中の脳活動データ (Miyazaki, Kadota, Matsuzaki, Takeuchi, Sekiguchi, Kochiyama. 2012, Soc Neurosci; Takeuchi, Sekiguchi, Matsuzaki, Miyazaki. 2013, JPFSM) の解析を進め,ベイズ推定 (確率論的最適化) の 関連脳部位候補とそれらの活動時間帯を特定した (宮崎, 竹内,松崎,関口. 2014, 信学技報). この結果に基づき,経頭蓋磁気刺激 (TMS) による 阻害実験を行った (N =8).その結果,右の背側運動前野 (PMd) にTMSした場合に,事前経験への過剰適応が生じた. 心理物理学的測定では,確率論的最適化のために必要となる不確定性の知覚機序を探究するなかで,2次元パタンの乱雑さの知覚に順応 (パタンランダムネス残効) が生じることを発見した (Yamada, Kawabe, Miyazaki. 2013 Sci Rep).さらに,パタンランダムネス残効が方位依存性を有する一方で,輝度極性の影響は受けないことを明らかにし,従来の生理学的データと理論モデルに基づき,外側後頭複合体がパタンの乱雑さの処理に関与しているという仮説も得た.
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