研究分担者 |
竹内 成生 上武大学, ビジネス情報学部, 准教授 (10329162)
関口 浩文 上武大学, ビジネス情報学部, 准教授 (20392201)
荒牧 勇 中京大学, スポーツ科学部, 准教授 (40414023)
中澤 公孝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
野崎 大地 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70360683)
小幡 博基 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (70455377)
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研究実績の概要 |
機能的磁気共鳴画像 (fMRI) による測定では,視聴覚の時間順序判断を用いた実験を実施した (Matsuzaki et al. & Miyazaki. 2014, IOP).その結果,体性感覚の時間順序判断と同様の部位にベイズ推定 (確率論的最適化) の 関連脳部位候補が検出された.これは,体性感覚の時間順序判断で観測されているベイズ推定 (Miyazaki, Yamamoto, Uchida, Kitazawa. 2006, Nat Neurosci; Nagai, Suzuki, Miyazaki, Kitazawa. 2012, Front Psychol) が,拮抗作用となる時差順応を相殺すれば,視聴覚の時間順序判断でも観測できるとする心理物理学的報告 (Yamamto, Miyazaki, Iwano, Kitazawa. 2012, PLoS one) と一致するものである. 経頭蓋磁気刺激 (TMS) による 阻害実験では,昨年度までの測定を継続し,データの拡充を進めた (N = 16).その結果,右の背側運動前野 (PMd) にTMSした場合に事前情報の過剰利用が生じることが認められた (竹内,関口,宮崎 2014, 日本神経科学大会; Takeuchi, Sekiguchi, Miyazaki. 2014, IOP).さらに,その事前情報の過剰利用の背景機序を考察するため,ベイズ統合モデルをTMS効果の分析に応用した.その結果,右のPMdにTMSを行ったときには,感覚情報と事前情報の最適統合が成立しなくなっていたことが明らかとなった (Miyazaki et al. 2014, Soc Nerosci).この結果から,右のPMdが体性感覚の時間順序判断のベイズ統合の生成に関与しているという結論が得られた.
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