研究課題/領域番号 |
25242059
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 和俊 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30302813)
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研究分担者 |
中澤 公孝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
山本 裕二 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (30191456)
木島 章文 山梨大学, 教育学研究科, 准教授 (10389083)
関口 浩文 上武大学, 商学部, 准教授 (20392201)
七五三木 聡 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20271033)
門田 浩二 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50557220)
門田 宏 高知工科大学, 総合研究所, 講師 (00415366)
平島 雅也 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 助教 (20541949)
奥村 基生 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スポーツ / 身体運動 / 眼球運動 / 協調 |
研究実績の概要 |
本年度は、移動指標に対する一致タイミング課題を用いて眼球ー頭部協調と一致タイミングパフォーマンスの関係について検討した。参加者は球技経験者10名であり、4m先の位置から手前に向かって7種類の速度(2,4,6,8,10,12,14ms)で移動する指標の終末点到着に合わせて反応する一致タイミング課題を行った。この際、指標の移動開始から終末点到着までの時間間隔は2000から285msであった。その結果、指標の移動速度が2-10msの間においては、互いの速度を区別してタイミング反応が行われていた。一方、眼球ー頭部による移動指標の追従に関しては、指標の移動速度が4m/s以下の場合には追従眼球運動が認められた一方で、移動速度6m/s以上では追従が認められず、12m/s以上では一致タイミング反応の終了後に眼球運動が開始されていた。これらの結果は、移動指標の終末点到着タイミング予測において、指標速度に応じて眼球ー頭部協調運動の役割が異なっていることを示唆している。 また、自動車運転時の視覚ー運動協調について明らかにするため、2本のパイロンの間隙を自動車で通過する課題を用いて、間隙通過時の視線、ステアリング操作、および自動車の動きの関係について検討した。参加者は自動車の運転を行い、3種類の速度(20,40, 60km/h)で3種類の幅をもつ間隙(車体幅プラス20,40,60cm)を通過する課題を行った。現在、実験結果の解析を進めている。 さらに、対人競技における眼球ー頭部ー体幹協調について検討するため、剣道および手押し相撲を対象として予備実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、日常動作や対人スキルを含む複数の課題を用いて、眼球ー頭部の協調とパフォーマンスの関係についての検討が進み、眼球ー頭部協調による視線追従の役割や頭部の回転を含めた視線移動による(自動車運転のステアリング操作を含む)移動運動への影響が明らかになりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在進展が見込まれつつある運動課題に焦点を絞り、リーチングおよび一致タイミングなどの比較的狭い範囲で実施することの可能な課題については、昨年度新たに購入した時間解像度の高いアイカメラを用いて、マイクロサッカードを含む眼球運動を計測し、視覚運動協調機序を解明する。
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