研究課題
気分障害と概日リズムとの関連は従来から示唆されているところであるが、その分子相関研究は、時計遺伝子を含む様々なリズムの定量的アッセイ系が確立された現在でこそ可能になったプロジェクトである。研究代表者の研究室で最近明らかになった気分障害における概日リズム表現型をもとに、本研究では、気分障害の新規エンドフェノタイプを同定・確立するとともに、そのシグナルパスウェイを明らかにする。気分障害の分子病態理解を目指すとともに、本研究の成果として得られる新規抗体やモデルマウスは、これまでの概念とは一線を画す新規診断法や治療薬のスクリーニング系の開発基盤となることが期待される。PER2リン酸化変異ノックインマウスの行動解析により、概日リズム周期が野生型に比べて短周期になりヒトでみられる睡眠相前進症候群の表現型を示した。また学習性無力テストでは野生型に比べてうつに抵抗性であることを明らかにした。またリチウム投与によって、短くなった概日周期がもとの周期に戻らないことから、本PER2変異体がGSK3betaによるリン酸化に必須の部位であることが個体レベルでの実験からも実証できた。また、PER2リン酸化変異ノックインマウスでは、PER2のタンパク安定性及びPER2の核内移行に異常が見られることを明らかにした。これらが当該モデルマウスにおいてリズム異常が見られる原因であると示唆された。本モデルマウス、睡眠覚醒障害モデルだけでなく、概日リズムと気分障害の関連を解析するに有用なモデルである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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