研究課題/領域番号 |
25243001
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
園田 茂人 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (10206683)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 第三次四都市調査 / 時系列調査 / 社会変動モデル / 中国 / グランデッド・セオリー |
研究実績の概要 |
平成27年度は第三次調査のデータを利用して、平成27年6月12日に東京大学東洋文化研究所で行われたWorkshop on “Socio-psychological Approaches to China Studies: Challenges and Prospectsで“Why Chinese Citizens are so Positive toward Party and Government?: Chronological Analysis of Four-city Survey, 1998-2014,”と題する報告を行い、同ワークショップに出席したオクラホマ大学のPeter Gries教授からコメントをもらい、解釈図式をブラッシュアップした。 その後、11月13日にはUCバークレー校東アジア研究所主催の講演会(招聘人Kevin O’Brien教授)、平成28年2月15日におけるシンガポール南洋理工大学Master of Arts in Contemporary Chinaでのゲスト・レクチャー(招聘人 Liu Hong 教授)、2月23日の財務総合政策研究所における報告会、2月24日の国立フィリピン大学アジアンセンターでの講演会(招聘人 Tina Clemente准教授)で、同種の報告を行い、招聘人からさまざまな意見を得た。 それ以外にも、David Goodman教授(Xi'an Jiaotong-Liverpool University,)Chen Minglu講師(University of Sydney)、Jane Dukett教授(University of Glasgow)といった海外の研究者、高原明生教授(東京大学)、渡邉真理子教授(学習院大学)、関志雄博士(野村資本市場研究所シニアフェロー)といった国内の研究者と意見交換をした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要にあるように、多くの研究者に結果概要を理解してもらい、社会変動のモデル化に強く進んだ印象をもつ。特に政治的な独裁体制下における「社会問題」への認識と、政府への高信頼が別次元の問題として存在していることを突き止めたことは、今後の中国研究、国家‐社会関係的枠組みに大きなインパクトを与える可能性が高い。あるいは、そこまででないにせよ、世界的な中国研究の権威に第三次調査の存在を知らしめ、その知見が重要なものであることを認識してもらったことは大きい。
|
今後の研究の推進方策 |
最終的な成果のとりまとめを行う。 まず、今回の第三次調査の実施を担ってくれた天津社会科学院社会学研究所の潘允康氏を招聘し、今回の調査結果をどう理解するか、今後の最終報告とりまとめにあたってどのような姿勢で臨むべきかについて協議を行う。 次に、本研究の成果を和文・英文の双方で発信する。論文やエッセーなどいくつかの形態があるだろうが、文章化することで多くの読者の目に触れるよう努力したい。 最後に、昨年同様、世界の中国研究者が集まる学会(British Association for China StudiesやAssociation for Asian Studiesなど)・大学(Hong Kong Institute of Educationなど)を訪問し、今回の成果についての報告を行うことで、より多くの反響を得たい。最終的には英語による出版を考える必要があるだろうが、本年度は、そのための準備作りを行いたい。
|