研究課題/領域番号 |
25243008
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
米山 裕 立命館大学, 文学部, 教授 (10240384)
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研究分担者 |
坂口 満宏 京都女子大学, 文学部, 教授 (30298682)
和泉 真澄 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (00329955)
河原 典史 立命館大学, 文学部, 教授 (60278489)
轟 博志 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (80435172)
園田 節子 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (60367133)
南川 文里 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (60398427)
小川 真和子 立命館大学, 文学部, 准教授 (60443610)
酒井 一臣 京都橘大学, 文学部, 助教 (10467516)
宮下 敬志 立命館大学, 文学部, 助教 (50509346)
佐藤 量 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (20587753)
石田 智恵 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD) (50706661)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 移民 / 日系人 / 在外日本人 / 環太平洋 / データベース / アメリカ:中国:韓国:アルゼンチン:カナダ |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトの特色は在外日本人の国際移動を長期にわたる「プロセス」と捉えて、在外経験を重ねる日本人の「生業」と彼らが生活の場として選択した自然・社会「環境」の関係に注目する点である。そのために必要な在外日本人の移動経路を明らかにし、職業および家族構成の変化を追うために、5年の研究期間を通じて、各地に残された日本人の「住所録」および「人名録」のデータベース化作業を進めることとしている。 データのデジタル化(スキャン・入力等)については、2013年度に訓練を受け作業内容について熟知した入力スタッフの継続的参加を得て、年間を通じて本格的作業を進めることができた。具体的には、人名録の伝記的情報を整理、検証しながらデータベースの項目に適切に記入する作業、日英両語併用された住所録について日本語、英語のOCRソフトを掛けて変換ミスをチェックしながら両者を統合してデータベースに入力する作業、移民会社の取り扱い記録を網羅的に入力する作業を中心に実施した。 研究分担者、研究協力者による資料収集も計画的に実施した。分担者ごとの資料収集に加え、2013年度にアメリカ国立公文書記録管理局において発見した新資料については、4名で分担して全資料の撮影を完了した。また同機関において周辺資料の調査を実施した。 毎月1回の研究会で順に進捗報告を行って、研究成果や問題意識の共有をしながら研究プロジェクトを進めた。プロジェクトメンバーを中心とする共著『日本人の国際移動と太平洋世界:日系移民の近現代史』を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画において、主要な項目であったデータベース作成作業においては、ほぼ予定どおりの進捗を見ることができた。年間通じての作業を実施したことで、本プロジェクトで扱う資料における作業時間(人件費)とデータの入力量について具体的な把握ができたことも、今後の作業を進める上では貴重なノウハウの獲得であった。 一方、パイロット的に作業を開始するとしていた画像資料と文字データベース資料のリンクについての作業手順の確立と手稿資料のデータベース化については、今年度は作業を凍結せざるを得なかった。作業人員が限られた中で、上記データベースの入力を進めることが優先的課題であると判断したためである。 資料収集においては、懸案であったアメリカ国立公文書記録管理局の新資料の撮影を完了することができ、また関連新資料の発見もできた。研究成果の公表も、個別の研究成果に加え、共著を公刊できた。
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今後の研究の推進方策 |
在外日本人に関わる日本語資料のデータベース化作業は、2015年度も年間を通じた作業を進める予定である。昨年度着手できなかったパイロット的作業については、再度試みたい。第一に、火災保険地図のような画像資料でありながら在外日本人の居所・職業・家族構成を含む資料と、上記データベース資料とのリンク。これまでは、研究者個人が手作業で行ってきたことであるが、それをある程度自動的にデータ処理ができるよう、作業手順を開発したい。第二に、乗船名簿のような手稿資料のデータベース化である。乗船名簿はアメリカの上陸港ごとに保管されている英語(ローマ字)資料であり、日本語の漢字名簿資料とリンクすることが研究における活用のために必要であるが、日本語データベースが充実していることが前提条件となる。そのため、日本語データベース入力作業の進捗を見ながら、手稿資料の作業を進めることとなる。 資料収集については、今年度も分担者が各地で実施する。毎月1回の研究会では、3年目の中間総括に向けた個別報告と討論を重ね、年度後半にシンポジウムを開催して、データベースを活用した移動研究についてプロジェクト外の研究者と意見交換を実施したい。
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