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2016 年度 実績報告書

尊厳概念のアクチュアリティ――多元主義的社会に適切な概念構築に向けて――

研究課題

研究課題/領域番号 25244001
研究機関一橋大学

研究代表者

加藤 泰史  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90183780)

研究分担者 宇佐美 公生  岩手大学, 教育学部, 教授 (30183750)
齋藤 純一  早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60205648)
松井 佳子  神田外語大学, 外国語学部, 教授 (60255180)
大河内 泰樹  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (80513374)
品川 哲彦  関西大学, 文学部, 教授 (90226134)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード人間の尊厳 / 価値論 / カント哲学 / 討議倫理 / 承認 / 自律
研究実績の概要

平成28年度の研究計画と、平成27年度末のカーター教授の講演会の際に分担者および連携研究者との研究打ち合わせにもとづき、平成27年度の計画を確認すると同時に、まず4月に生命倫理学に関連して研究倫理学の研究会を開催した(一橋哲学フォーラムとドイツ応用倫理学研究会などとの共催)。6月にシュロスベルガー講師(ウィーン大学)を招聘して尊厳に関する国際ワークショップを開催し、7月に国内ワークショップを一橋大学で開催して加藤泰史と宇佐美公生が研究発表を行った。また10月に国際ワークショップを開催し、シェーンリッヒ教授(ドレスデン工科大学)・コスキネン講師(ヘルシンキ大学)・王講師(中国人民大学)・ケトナー教授(ヴィッテン・ヘアデッケ大学)などの研究発表を行うとともに、「尊厳のアクチュアリティ」と題した一橋大学政策フォーラムを開催して市民や若手研究者・大学院生などを対象にしてこれまでの研究成果を公開した。
また、年度末に予定していたイェール大学での国際ワークショップがイェール大学側の事情により開催不可能になったことがこの時点で判明したので、分担者やシェーンリッヒ教授らと協議して来年度の7月に一橋大学で開催することに変更して所定の手続きをとることにした。
平成29年の1月と2月に徳倫理学と道徳的実在論に関する国内研究会を開催した。そして平成29年の2月に『思想』(岩波書店)で「尊厳のアクチュアリティ」と題した特集を組んでこれまでの研究成果を公表した。『ドイツ応用倫理学研究』第6号も刊行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に進展しているとした理由として、(1)当初の予定であったイェール大学での国際ワークショップの開催はイェール大学側の事情で次年度に一橋大学で開催することになったが、他の研究計画はおおむね順調に実現することができたことと、(2)一橋大学政策フォーラムにこの科研費の企画が採択され、10月22日にフォーラムを開催できたことに加えて、(3)『思想』平成29年2月号にこれまでの研究成果の一部を特集として公刊できたことがあげられる。特に(3)に関しては学内外から想定外の反響があった。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策に関しては、平成28年度と同様に次の二方策を継続して行なう。一つは、ワークショップ・フォーラム・研究会などを開催して内外の研究者を招聘したり、研究代表者・研究分担者・連携研究者・研究協力者らが研究発表を行なったりすることによってそれぞれの研究課題を具体的に進展させてゆくものである。もう一つは、イェール大学で開催予定だったワークショップ企画も含めて国際ワークショップを一橋大学で少なくとも二回は開催してそのつどの研究成果を海外にも発信することで欧米の研究者からの反応を踏まえながら、海外の研究者との相互交流(海外研究者の招聘および海外研究者訪問など)を積極的に行なうことにより、ドイツばかりでなく英米の研究者との共同研究を具体的にさらに進展させてゆくものである。
これら二方策にもとづく研究成果を『ドイツ応用倫理学研究』で取りまとめて公表し、さらにこれまでの研究成果を尊厳関係の論文集として編集し公刊する企画も視野に入れてゆく予定である。

  • 研究成果

    (34件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 3件、 招待講演 11件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] ドレスデン工科大学/ボン大学/ミュンスター大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ドレスデン工科大学/ボン大学/ミュンスター大学
    • 他の機関数
      3
  • [国際共同研究] 中国人民大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      中国人民大学
  • [雑誌論文] 尊厳死と安楽死ーー「死ぬ権利」の法制化は「尊厳ある最期」を保証できるか2017

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 雑誌名

      思想

      巻: 第1114号 ページ: 74-97

  • [雑誌論文] 理学療法の倫理2017

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 雑誌名

      理学療法ジャーナル

      巻: 51-1 ページ: 67-72

  • [雑誌論文] 思想の言葉--「尊厳」概念のアクチュアリティ2017

    • 著者名/発表者名
      加藤泰史
    • 雑誌名

      思想

      巻: 第1114号 ページ: 2-7

  • [雑誌論文] 尊厳概念史の再構築に向けて2017

    • 著者名/発表者名
      加藤泰史
    • 雑誌名

      思想

      巻: 第1114号 ページ: 8-33

  • [雑誌論文] Re-examining Human Dignity in Literary Texts: In Seeking for a continuous Dialogue Between the Conceptual and the Empirical Approaches2017

    • 著者名/発表者名
      Keiko Matsui Gibson(松井佳子)
    • 雑誌名

      Dialog

      巻: Volume 56, Number 1 ページ: 53-80

  • [雑誌論文] ケア関係の構造分析2016

    • 著者名/発表者名
      品川哲彦
    • 雑誌名

      モラロジー研究

      巻: 78 ページ: 1-19

  • [雑誌論文] 存在の政治と絶対無の政治2016

    • 著者名/発表者名
      品川哲彦
    • 雑誌名

      哲学

      巻: 67 ページ: 9-24

  • [雑誌論文] 重なり合う合意か、それとも実践理性か2016

    • 著者名/発表者名
      品川哲彦
    • 雑誌名

      関西大学文学部文学論集

      巻: 66卷4号 ページ: 51-73

  • [雑誌論文] ケアの倫理からみたアドボカシー2016

    • 著者名/発表者名
      品川哲彦
    • 雑誌名

      日本介護倫理学会会誌

      巻: 9卷 ページ: 79-80

  • [雑誌論文] 医療・介護・保健分野におけるビッグデータの活用と患者の権利 ――モノのインターネット(IoT)の先にあるもの2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 雑誌名

      生命倫理・生命法研究資料集

      巻: Ⅱ ページ: 33-56

  • [雑誌論文] 認識批判と経験科学------ヘーゲル『大論理学』、概念論、「認識の理念」章の読解を通じて---------2016

    • 著者名/発表者名
      大河内泰樹
    • 雑誌名

      情況

      巻: 第4期第5巻第3号(第4期通巻32号) ページ: 254-272

  • [学会発表] Watsuji und Herder ueber Kultur und Uebersetzung: Eine Zwischenbetrachtung(文化と翻訳をめぐる和辻とヘルダー)2016

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Kato(加藤泰史)
    • 学会等名
      Workshop:Uebersetzung und Japanische Philosophie(日本思想研究ワークショップ「翻訳と日本哲学」)
    • 国際学会
  • [学会発表] Philosophy as a Critical Facilitator2016

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Kato
    • 学会等名
      日本哲学会第75回大会
  • [学会発表] 『尊厳』概念をめぐる考察の観点について─生成論と形而上学的観点を中心に2016

    • 著者名/発表者名
      宇佐美公生
    • 学会等名
      第19回一橋哲学フォーラム
  • [学会発表] 存在の政治と絶対無の政治2016

    • 著者名/発表者名
      品川哲彦
    • 学会等名
      日本哲学会第75回大会
  • [学会発表] ケアの倫理からみたアドボカシー2016

    • 著者名/発表者名
      品川哲彦
    • 学会等名
      日本看護倫理学会
  • [学会発表] Ethical, Legal and Social Issues of Big data and IoT in medicine and healthcare2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      ドイツ学術交流会DAAD 東アジア会議
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ロボットスーツHAL開発研究の倫理的意義――新しい健康概念に照らして2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      第53回医学系大学倫理委員会連絡会議
    • 招待講演
  • [学会発表] 尊厳死と安楽死 -- 「死ぬ権利」の法制化は「尊厳ある最期」を保障できるか2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      一橋大学政策フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 世界はどう変わるか――AI,医療におけるビッグデータ、IoT(モノのインターネット)2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      静岡大学公開講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 病気を持っていても元気だといえる人生2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      オレンジカフェ 認知症カフェ
    • 招待講演
  • [学会発表] 新しい健康のとらえ方と医療観の転換2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      榛原総合病院倫理研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 病気を持っていても元気だといえる人生――新しい健康観とロボット医療・介護の時代2016

    • 著者名/発表者名
      松田純
    • 学会等名
      からつ塾公開講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 習慣と制度:ヘーゲルにおける「第二の自然」概念をめぐる現代哲学の議論状況2016

    • 著者名/発表者名
      大河内泰樹
    • 学会等名
      東北師範大学マルクス主義学部(中国)
    • 招待講演
  • [学会発表] 近代的コーポラティズム国家?ヘーゲル「Korporation論」の再検討2016

    • 著者名/発表者名
      大河内泰樹
    • 学会等名
      東北師範大学マルクス主義学部(中国)
    • 招待講演
  • [学会発表] なぜプラグマティズムにおいてヘーゲルが問題となるのかーーーR・ブランダムのネオプグマティズとヘーゲル主義ーーー2016

    • 著者名/発表者名
      大河内泰樹
    • 学会等名
      2016年度哲学若手研究者フォーラム
  • [学会発表] Was ist die Natur des Menschen? Die ”zweite Natur“ zwischen Gewohnheit und Institution (人間の自然/本性とは何か?習慣と制度の間の「第二の自然」)2016

    • 著者名/発表者名
      Taiju Okochi
    • 学会等名
      31. Internationaler Hegel-Kongress der Internationalen Hegel-Gesellschaft
    • 国際学会
  • [学会発表] 「理性の公共的使用」とは何か?―-「グローバルな公共性」の構築に向けて2016

    • 著者名/発表者名
      加藤泰史
    • 学会等名
      東北師範大学教育学部(中国)
    • 招待講演
  • [学会発表] カントの教育学とその現代的意義 -- カントと「人間の尊厳」の問題 --2016

    • 著者名/発表者名
      加藤泰史
    • 学会等名
      東北師範大学教育学部(中国)
    • 招待講演
  • [学会発表] 哲学における対話の意味2016

    • 著者名/発表者名
      田中伸司
    • 学会等名
      静岡哲学会
  • [図書] ケースで学ぶ 認知症ケアの倫理と法2017

    • 著者名/発表者名
      松田純、堂囿俊彦、青田安史、天野ゆかり、宮下修一、
    • 総ページ数
      170
    • 出版者
      南山堂
    • ISBN
      978-4525506117
  • [図書] 不平等を考えるーー政治理論入門2017

    • 著者名/発表者名
      齋藤純一
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      978-4480069498

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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