研究課題/領域番号 |
25244002
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
星川 啓慈 大正大学, 文学部, 教授 (10173585)
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研究分担者 |
川端 亮 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00214677)
島薗 進 上智大学, 実践宗教学研究科, 教授 (20143620)
松野 智章 大正大学, 文学部, 非常勤講師 (20723662)
渡邉 光一 関東学院大学, 経営学部, 教授 (30329205)
秋庭 裕 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40222533)
弓山 達也 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (40311998)
対馬 路人 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60150603)
宮嶋 俊一 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80645896)
真鍋 一史 青山学院大学, 地球社会共生学部, 教授 (90098385)
長谷川・間瀬 恵美 桜美林大学, 人文学系, 准教授 (90614115)
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研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 生命主義 / 多元主義 / スピリチュアリティ / 国際調査 / 宗教意識調査 |
研究実績の概要 |
前年度調査結果の検討:平成27年度に実施した「宗教的信念要素に関する意識調査(サンプルを分割しない全サンプル一括の形態での本調査)」と「宗教的多元主義に関する意識調査(予備調査)」の調査結果データ(インド・トルコ・日本・アメリカ・イタリア・台湾・タイ・ロシアの計8ヶ国分)について、(1)8ヶ国データ整合性処理(データマージ)、(2)SPSSデータ変換、(3)Rデータ変換の処理を実施したうえで、統計的な分析を行った。 多元主義の理念型の検討とその検証:上記の「宗教的信念要素に関する意識調査」への分析結果からは、全サンプル共通の共有宗教信念要素とその構造を得ることができた。これは、世界の代表的な宗教を代表する8ヶ国の共通の宗教的な信念要素とその構造であるので、世界の宗教に共通の要素・構造である。また、「宗教的多元主義に関する意識調査(予備調査)」からは、全サンプル一括ではないものの、宗教間の関係などの「多元主義に関連する典型的な信念要素」がどのような構造に分化するかを統計的に検出できた。 本年度の調査の設計:①前年度調査を踏まえて、多元主義の類型とのその要素をさらに洗練するとともに、共通宗教信念の要素・構造と多元主義との関連をインターネットを用いたパネル調査で実施し、そのための調査項目の絞り込みを行う予定であった。②同時に共通宗教信念要素や多元主義の類型について、その形成や維持にかかわる具体的なエピソード(宗教的体験談)の収集を実施するための調査計画も立てていた。 本年度調査の実施:しかし、28年度の調査結果が想定したものと大幅に異なったため、本年度の調査は、調査項目見直しのために延期となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の研究仮説では、H27年度の調査結果への統計分析で得られる普遍的宗教性は3次元程度となることを予想していたため、H28年度調査は共分散構造分析による次元ごとに項目を絞り込んで設計する予定であった。しかし、1次元構造であったため、共分散構造分析の適用は不可となった。そのため対応策を検討し、改定調査をH29年度に予定されていた宗教対話実験と組み合わせ一部の国で実施し、予備実験を踏まえて宗教性の異なる国への追加調査を実施することがより適切と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
第2回宗教性調査の分析結果、一次元を構成する60項目の質問文について、海外の宗教研究者に対話的手法でコメントを求める調査をインターネットを介し行う。宗教性の質問文に対する個人としての賛否と質問文自体に関する研究者としてのコメントを求め、これらのデータを分析した結果に基づき、第3回宗教性調査を再度、設計し直す予定である。 第3回宗教性調査の実施 海外宗教対話実験調査の結果にもとづき、質問文を再構成した質問紙調査を実施する。本調査は、異なる宗教伝統に基づく多くの国々の間で、共通する普遍的な宗教性を抽出することが第一の目的であり、これまでの宗教性調査の結果を踏まえて行われる今回の宗教性調査によって、一次元の宗教性が抽出されると予想している。また、その際には多元主義や宗教に対する寛容性についても調査し、これらと宗教性の関連を明らかにする。それはまた実証的研究としてだけでなく、研究分担者に加わっている理論的な研究者のコメント、解釈をも重視し、理論と実証の融合に努める。
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