研究課題/領域番号 |
25244004
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大久保 良峻 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30213664)
|
研究分担者 |
曽根原 理 東北大学, 学内共同利用施設等, 助教 (30222079)
蓑輪 顕量 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30261134)
吉田 一彦 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40230726)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60285244)
菊地 大樹 東京大学, その他の研究科, 准教授 (80272508)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 思想史 / 日本仏教 / 国際的研究 |
研究概要 |
平成25年度は、初年度であるので、日本仏教の多面的・国際的な研究の場を展開するための準備を進めた。 まず研究代表者と分担者による年に3回の研究会を開催した(25年4月13日東京、9月6日東京、12月14日金沢)。その相談にもとづき、9月6日に東京の早稲田大学において、第1回の研究集会を開催した。そこでは構成員による研究報告を3つ(大久保「日本仏教史の構築と最近の私の研究」、吉田「僧綱の僧位と大師号-円仁の処遇をめぐって-」、曽根原「近世仏教研究史の問題点」)、招聘研究者による研究報告を1つ(Stephan Licha「イギリスにおける日本仏教研究と私の研究」)行った。 続いて26年1月24日、同じく早稲田大学において第2回の研究集会を開催し、構成員の報告を2つ(菊地「中世石造物にみる種子(悉曇)について」、研究協力者の原田正俊「皇帝の誕生日法会から室町将軍の誕生日祈祷へ」)、招聘研究者の報告を2つ(林 韻柔・台湾暨南国際大学「海を越えた聖山:中国と日本における五台山信仰」、王 頌・北京大学「中国における日本仏教研究の現状」)行った。 25年度は、海外の若手研究者の参加を得て、国際的な環境の中で本科研の活動を開始することができたが、26年度以降さらに範囲を広げるため、25年11月には米国宗教学会(AAR)に2名(大久保・曽根原)が参加し、海外の研究状況を視察するとともに、研究者のネットワークを拡充すべく交流を行った。26年3月には4名、蓑輪・曽根原・上島・菊地)がプリンストン大学の研究会に参加した。 こうした活動の公開のために、「日本仏教の国際的研究」と題するHPを設置した(http://international-study-buddhism.webnode.jp/)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26度以降の準備段階として、平成25年度に掲げた諸点を達成し、さらに当初の計画以上に進展させた。 (1)「年に三回程度、定例の研究会を開く」ことを計画し、平成25年の4月、9月、12月に開催した。研究の状況や方向性、さらには研究集会の開催について建設的な議論がなされ、後の課題が提示された。(2)「情報をHPで発信する」ことを計画し、ホームページを開設した。(URLはhttp://international-study-buddhism.webnode.jp/)。本研究の目的、計画、組織、活動報告などを掲載し、発信している。(3)「海外の研究機関に出張し、研究集会を開催し、検討会議の場を持つ」という計画に対し、研究代表者と研究分担者1名が平成25年11月にボルチモアで開催された米国宗教学会(AAR)に参加し、平成26年度の国際研究集会の会場や海外の報告者を決定するなど、所定の目的を達成した。 さらに、平成26年度からの計画であった点についても、前倒しして開始した。 (4)「本研究の目的に沿って、日本国内において研究集会を実施する」ことは平成26年度以降の計画であったが、平成25年9月と平成26年1月に早稲田大学を会場として実施した。その記録については、上記HPで公開している。構成員と国内の研究協力者、及び内外の招聘研究員による発表が行なわれ、出席者を交えた質疑応答や議論がなされた。招聘研究者からは海外の日本仏教研究の状況についての情報提供があった。
|
今後の研究の推進方策 |
国際的研究を基盤に据え、様々な分野の研究者との交流を深め、大きな目標である、特に教学と歴史学を柱とする日本仏教史の概説書(日本語と英語)刊行の準備をしつつ、次のような方向で研究を推進する。 (1)年に3回、定例の研究会を開催する。研究代表者と分担者の専門領域のみならず、連携研究者・研究協力者を加え、広範な視野から議論する。それぞれの研究成果を報告し、かつそれぞれが知り得た研究動向を提示する。また、研究集会の報告者の選定など、活動の内容について話し合う。(2)HPによる情報の公開を引き続き実施する。研究集会の日時、活動予定、活動報告など。(3)海外の研究者との交渉については、最終年度に実施する予定の(5)国際研究集会の開催の準備を兼ねて、平成26年10月に米国ホノルルでハワイ大学との共同で(開催形態については検討中)プレ集会的性格を持つ国際研究集会を開催する。日本側と米国側の研究者の報告を実施するとともに、最終年度の国際研究集会のための検討会議を行う。(4)日本国内の研究集会については、26年9月と27年1月に早稲田大学において開催するため準備を進めている。(5)国際研究集会(最終年度)開催の準備を始める。(6)最終年度に計画している、日本仏教に関する概説書刊行についても、目次や執筆者の選考を開始し、期限内の完成のための準備を進める。
|