研究課題/領域番号 |
25244004
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大久保 良峻 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30213664)
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研究分担者 |
曽根原 理 東北大学, 学内共同利用施設等, 助教 (30222079)
蓑輪 顕量 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30261134)
吉田 一彦 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40230726)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60285244)
菊地 大樹 東京大学, その他の研究科, 准教授 (80272508)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 思想史 / 日本仏教 / 国際的研究 |
研究実績の概要 |
本年度も、日本仏教の多面的・国際的な研究の場を展開するための活動を進めた。まず年に4回の検討会を開催した(27年4月11日東京、9月26日東京、11月14日サンタバーバラ、28年1月29日東京)。 その相談にもとづき、今年度は若手と外国人の研究者の報告に重点を置く方針を立てた。平成27年9月26日に第1回研究集会(於早稲田大学)を開催し、若手研究者2名(柳澤正志「妙行心要集の思想とその形成」、金子奈央「日本成立の諸清規・清規関連文献における唱衣法について」)、と外国人若手研究者2名(胡建明「梵網経の諸注釈書について」、池美玲「韓国における日本仏教研究」)の研究報告を行った。同年11月26日に第2回研究集会(於カリフォルニア大学サンタバーバラ校)で、Interdisciplinary Symposium and Workshop “Rethinking the Textual Approach to Buddhist Studies(資料に導かれる仏教研究)”を実施した。本科研メンバーから3名と、米国人研究者3名が報告を担当した。その前日には、本科研メンバー3名が米国人大学院生たちを対象とするワークショップを実施した。28年1月29日に第3回研究集会(於早稲田大学)を開催し、若手の外国人研究者の報告3つ(Jon Morris「弘法大師入定説と即身仏の研究」、王芳「嘉興藏と江戸仏教」、Caroline 平澤「英語圏(北米&英国)における仏教美術研究の現状」)などを実施した。あわせて浅草寺などの見学会を行った。 研究会活動と並行し、日本仏教の概説書刊行に向けて編集会議を重ねている。 以上の活動については、本科研のHPを設置し情報公開している(http://international-study-buddhism.webnode.jp/)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27度度は、平成26年度に掲げた目標について、おおむね達成した。 (1)「年に3回程度、定例の研究会を開催する」ことを計画し、平成27年の4月、9月、11月、平成28年1月に開催した。活動の現状や方向性、研究集会の開催準備等について建設的な議論がなされ、課題が明確化できた。 (2)「HPによる情報の公開を引き続き実施」という計画に対し、すでに開設されているHP(URLはhttp://international-study-buddhism.webnode.jp/)に各種情報を追加し充実させている。平成27年度分として、例会4回、研究集会3回の活動報告(会場の写真を含む)を掲載し発信した。 (3)「国際研究集会を開催する」という計画に対し、研究代表者と研究分担者5名が参加し、平成27年11月にカリフォルニア大学サンタバーバラ校で研究集会を主催し、本科研から3名(大久保・蓑輪・曽根原)、海外の報告者3名が報告を担当した。討論等に加え、本科研のメンバー3名(吉田・上島・菊地)によって、地元の大学院生などを対象とするワークショップも開催し、若手研究者同士の交流を実現した。 (4)「日本国内の研究集会」については、予定どおり平成27年9月と平成28年1月に早稲田大学を会場として実施した。その記録については、上記HPで公開している。今年度は若手研究者と外国人研究者の発表を増やす方針をたて、それに沿って実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
国際的研究を基盤に据え、様々な分野の研究者との交流を深める場を設ける。また、教学と歴史学を柱とする日本仏教史の概説書刊行の準備をしつつ、次のような方向で研究を推進する。 (1)年に3回程度、定例の研究会を開催する。研究代表者と分担者の専門領域のみならず、連携研究者・研究協力者を加え、広範な視野から議論する。それぞれの研究成果を報告し、かつそれぞれが知り得た研究動向を提示する。また、研究集会の報告者の選定など、活動の内容について話し合う。(2)HPによる情報の公開を引き続き実施する。研究集会の日時、活動予定、活動報告などに加え、画像により様子が分かるようにする。 (3)海外の研究者との交流については、すでに米国で研究集会を実施しているので、異なる地域として中国で国際研究集会を開催する。中国側数名の研究者の報告を実施するとともに、積極的に日本の若手研究者(大学院生など)が発表する場を設け、若手研究者同士の学術交流を支援する。(4)日本国内の研究集会については、28年9月に早稲田大学において開催するため準備を進めている。(5)国際研究集会(最終年度)開催の準備を始める。早稲田大学で開催する予定。(6)最終年度に計画している、日本仏教に関する概説書刊行について、すでに出版社と執筆者はほぼ決定した。28年4月に目次と第一次原稿を集め、検討を加え、また英文要旨の作成を開始する。期限内に完成するための準備を進める。
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