研究課題
アンコール遺跡群での調査成果に対する分析として、従来は関係する文献において、検索対象となる用語を実際の検索行為から取り出すことを試みていた。しかしこのやり方は、大規模な文字資料が準備できなかったり、多種類で多くの回数に及ぶ検索を実際に行ってみることが難しい状況下では、効果的な方法ではない。そこで、今年度は、文章中の用語の頻度や用語間の出現距離による近接度を指標に取り扱うこととした。このやり方は一般的なものであるが、本研究では、遺跡ごとの実際の地理的な位置との関連において、位置を基準とした検索を行って付近の遺跡の報告に含まれる用語の出現頻度をそれぞれ検討してみた。遺跡に関する記録は、記録自体が私的なコレクションの場合でも、公表されている資料に含まれていない重要な情報が含まれていることがある。そういった資料を整理し、内容の一部あるいは、資料が存在すること自体のみであっても、情報公開に結び付けることができるかどうかを検討した。アンコール地域を調査研究対象としている機関それぞれで行われている情報の蓄積が、目録情報の相互流通や、情報の再利用可能な形での確実な保管につながることが大切である。共有化の取り組みを周知すべく、京都で開かれた第8回世界考古学会議で、2016年9月2日にセッションを企画して(T06-Y)、4件の研究報告を行った。情報共有には用語の整理とシソーラス化が重要であるという指摘を得て、研究の方向性が広く支持されていることがわかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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