研究課題
本研究課題は、環境考古学、縄文考古学、災害地理学、古気候学の方法と最新成果を摂取して、文化人類学分野において有効性をもつ環太平洋文明学を構築することを目標とする。そうした目標に沿って最終年度は以下のように研究を進めた。第1班(文化人類学:渡辺)は環太平洋諸地域(南北アメリカ、モンゴル)の多様な環境において多様な生業モデルを生きる諸社会で各メンバーがこれまでに実施してきた調査にもとづき、同時代的に眼に見えるかたちで各社会の物質循環のモデルを構築した。第2班(環境考古学:安田)は、南米コロンビア・グアタビータ湖において採取した試料のサブサンプリングおよび分析を行い、ムイスカ文明時代の環境変遷史の復元を進めた。第3班(縄文考古学:矢野)は、関西地方を中心とする2府8県を対象とした「関西縄文遺跡データベース」を構築すると共に、水中ロボットを用いた琵琶湖葛籠尾崎湖底遺跡の調査を実施し微地形記録作成と新たな遺物画像を取得した。第4班(災害地理学:高橋)は、地震データベース(日本周辺;1923-2017年3月)を作成し、地震の時空間的周期の関連性を示唆する結果を得た。また、日本の地震情報が太平洋の反対側であるチリの地震や火山予測にも適用できる可能性も示唆された。第5班(古気候学:中川)は、水月湖年縞堆積物の3~2万年前の層準について、ひきつづき花粉分析を行った。ただし、AT火山灰に起因する化学的な分解の影響で、花粉を含まない層準が多く、データが得られた層準は約50層準にとどまった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
オックスフォード大学と共同で、水月湖年縞堆積物の火山灰分析を継続している。2016年度は、10世紀に噴火した長白山の火山灰が水月湖の年縞堆積物から検出された。これは、科学史上はじめてグリーンランドとモンスーンアジアの両方から検出された火山灰である。この発見により、北大西洋とモンスーンアジアの気候変動のタイミングを、直接対比によって検証する可能性が示された。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (25件) (うち国際共著 3件、 査読あり 11件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (52件) (うち国際学会 16件) 図書 (7件) 備考 (1件)
環太平洋文明研究
巻: 1号 ページ: pp.47-68
教育と文化
巻: 86号 ページ: pp.38-43
現代思想
巻: 43巻3号 ページ: pp. 248-262
環境考古学と富士山
巻: 創刊号 ページ: pp.1-2
廃棄物資源循環学会誌
巻: 27巻第5号 ページ: pp.317-318
巻: 1号 ページ: pp.93-104
巻: 1号 ページ: pp.1-2
巻: 1号 ページ: pp.11-22
巻: 1号 ページ: pp.23-46
巻: 1号 ページ: pp.69-92
立命館文学
巻: 649号 ページ: pp.162-177
巻: 1号 ページ: pp.1-10
多元素同位体分析指標を用いた日本産小型サンショウウオ類の生態系における機能的多様性の解明
巻: - ページ: p.8
Scientific Reports
巻: Vol. 7 ページ: 44983
10.1038/srep44983
巻: Vol. 7 ページ: 40682
10.1038/srep40682
共生科学
巻: vol.7 ページ: pp.76-86
環境管理
巻: Vol. 52, No.9 ページ: pp.26-29
日本考古学協会第82回総会研究発表要旨
巻: - ページ: pp.26-27
Society for East Asian Archaeology、 SEVENTH WORLDWIDE CONFERENCE OF THE SOCIETY FOR EAST Asian Archaeology
巻: - ページ: p.103
日本文化財科学会第33回大会研究発表要旨集
巻: - ページ: pp.286-287
巻: - ページ: p.108-109
兵庫県立考古博物館研究紀要
巻: 9号 ページ: pp.1-17
巻: 9号 ページ: pp.18-33
Quaternary Science Reviews
巻: Vol. 150 ページ: 301-307
10.1016/j.quascirev.2016.08.022
http://www.suigetsu.org/index.html