研究課題/領域番号 |
25245001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木庭 顕 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20009856)
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研究分担者 |
桑原 朝子 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10292814)
松原 健太郎 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20242068)
中林 真幸 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60302676)
山本 隆司 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70210573)
加毛 明 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70361459)
金子 敬明 千葉大学, 法務研究科, 准教授 (80292811)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 団体 / 法人 / 組合 / 商人 / 社会構造 / 信用 / 親族組織 |
研究概要 |
初年度は、既に各自が開始していた研究を発展させると同時に、研究代表者を中心とする共同作業としては、大別以下の二つの側面からアプローチが行われた。いずれも、最も基底的な層と仮定して研究を行う、ギリシャ・ローマに関する。 第一に、主として「法人理論の基礎」を扱う演習の形態において、ギリシャ・ローマの政治システムの観念の遺産の上に、古代末期に教会が新しい団体理論を構築する有様を検討した。数名のメンバーのほか、若い実務家たちが入れ代わり立ち代わり参加し、何より、次世代の若い研究者が積極的に発言した。とりわけ、将来の法人概念に対して伏線を意味する神学理論、すなわち「キリストの身体」というmystischな観念、の把握が焦点であった。 第二に、ローマ法の組合を軸とした作業が行われた。古典ローマ法の組合概念を新たに押さえ直したのち、近世、近代における逸脱を検証し、他方むしろ最新のビジネスにおいて却って組合のローマ法的原型が有効であることを論証した。この最後の点に関しては、一個の集約点として、2月に30名を集めての研究会が催された。5時間に及ぶ活発な議論が行われた。 この第二点に関連して、一個の博士論文が成果として浮上しつつある。われわれの集団的ともいえる指導のもと、近世フランスの組合に関して極めて重要な博士論文が結実しつつある。上記研究会も強くその脈絡の上に立つ。 このほか、中国日本に関してはそれぞれ独自に重要な研究が公刊、ないし海外で研究報告された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者を中心とするコアの作業は極めて順調であり、若干の分担者の研究、中国と日本に関する研究も進んでいる。しかし近世、近代の部分において大きなオーケルトレーションを得るには至っていない。もっとも、初年度にここへ至ることは元来想定していなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、現代の状況をグローバルに捉える方面の作業も開始する。このためにドイツから気鋭の研究者を招く。 コアの作業は、中世の法人理論形成過程を端的に分析する予定である。 現代実務を考慮に入れるために引き続き若い実務家たちとコラボする。
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