研究課題/領域番号 |
25245027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田所 昌幸 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (10197395)
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研究分担者 |
遠藤 乾 北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 教授 (00281775)
小川 裕子 東海大学, 政治経済学部, 准教授 (00546111)
岑 智偉 京都産業大学, 経済学部, 教授 (30340433)
瀬島 誠 大阪国際大学, 現代社会学部, 教授 (60258093)
遊喜 一洋 京都大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70362572)
橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, その他の研究科, 教授 (90313709)
鈴木 一敏 広島大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (90550963)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 相互依存 / グローバリゼーション / シミュレーション |
研究概要 |
本研究では、理論、事例、数量、シミュレーションの各手法に基づいて、それぞれ分析を行う。理論基盤の確立、事例分析の実施、数量分析やシミュレーションのための準備作業が25年度の計画であった。 まず、理論基盤の確立に関しては、本研究課題全体として取り組むべき研究目的の明確化のため、全3回(8月5-7日小樽商科大学・北海道大学、11月16日慶應義塾大学、2月7-9日石川県能美市)のプロジェクト会議を実施し、プロジェクトのメンバーをはじめとして協力関係にある研究者との間で幅広い検討を実施した。 またプロジェクト会議では、瀬島、橋本、鈴木らのゲーム理論的モデルを国家間関係のシミュレーション分析につなげるべく検討を行った。これにより、本研究課題におけるゲーム理論の適用に関するプロジェクト内での目標共有が促進され、次度以降の研究活動の指針を得た。 事例分析の対象として計画したのは、EU、中国・ロシア、発展途上諸国、アメリカの4つの題材である。このうち、EUに関しては分担者である遠藤を中心とした検討を実施し、学会等への報告を行っている。また、中国に関しては、その台頭と世界の秩序変動との関係に関して、研究代表者である田所と分担者である岑とを中心として分析を行い、その成果を書籍の章として発表した。発展途上国に関しては、貧困と援助という視点からの検討を実施し、分担者である遊喜、小川らを中心とした分析を行って、複数の論文を発表している。さらに、アメリカに関しても研究代表者を中心とした検討を行い、成果の公表を行っている。 25年度の計画としてはこれ以外に、数量分析のためのデータ整理とシミュレーションモデルのプロトタイプ作成がある。これらについては未だ成果を公表する段階ではないが、公表されたデータの調査と評価を行い、分担者の瀬島を中心としてシミュレーションに関する検討が進むなどの成果を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示したとおり、当初計画した研究成果は概ね達成できている。個別には以下のようにまとめられる。 ・ 理論基盤の確立:全体ミーティングの実施による本研究課題全体が取り組むべき研究目的の明確化と、ゲーム理論に基づく分析方法の検討とを実施した。 ・事例分析:EUに関しては、遠藤を中心とする検討を行い、成果発表を行った。中国・ロシアに関しては、田所を中心とする検討を行い、成果発表を行った。発展途上国については、遊喜、小川を中心として援助の面から検討を行い、成果発表を行った。最後に、アメリカに関しては田所を中心とする検討を行い、成果発表を行った。 ・数量分析のためのデータ整理:プロジェクト全体として、利用可能な情報源の調査と整理とを行った。 ・シミュレーションモデルのプロトタイプ作成:瀬島を中心とした検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
25年度の成果がほぼ予定通りに得られたことを受け、課題内の各領域について本格的な検討に入る。なお、シミュレーション研究・数量分析の本格化に向け、従来の構成に加え、藤本茂((財)平和・安全保障研究所)、山本和也((財)平和・安全保障研究所)、八槇博史(東京電機大学)、多湖淳(神戸大学)の4名を新たに研究分担者とする。 ・事例分析:国際情勢の変化をにらみながら事例分析を引き続き行う。特に、ヘテロ化と機能連関化の世界で今後の国際政治経済システムがどのような変化するのかについての検討を実施する。 ・数量分析:前年に収集したデータを使って、経済的な相互依存と国家間の対立・協力の関係を中心に分析を行う。特に、既存の数量分析の検証と新しいモデルによる分析が行われる。 ・シミュレーション分析:パワー移行論についてのモデルに貿易や通貨などの経済関係を組み込んだモデルについて、現実世界のデータを用いたシミュレーションを行う。相対的利得や戦略のシミュレーションについても、進化ゲーム理論やネットワークゲーム理論の最新の成果を踏まえつつ、その拡張が行われる。 ・理論研究:事例、数量、シミュレーションの分析結果を吟味し、既存の理論がどのように適用されるのかについて検討する。
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