研究実績の概要 |
厚生経済学・福祉の経済学の歴史的再検討の一環として、6月17‐19日の History of Economics Conference (Duke大学)で、Shionoya memorial session を組織し、西沢、山脇直司、H. Hagemannは、塩野谷経済学とシュンペーター、ドイツ歴史学派、及び、厚生経済学における非功利主義的・非厚生主義的パースペクティブの復活について報告をした。また、最終年度の国際ワークショップ “Between Economics and Ethics: Welfare, Liberalism, and Macro Economics” を、研究協力者のR. Arena, M. Dal Pontらと協働して3月18-20日にニースで行い、日本から7名のペーパーを含む英米・仏独伊・豪・ブラジルからの26のペーパーが報告され会議として大きな成果があった。そのWelfare に関わる部分を中心に、研究協力者のR. Backhouse, A Baujard, Nishizawaの共編で、 "Welfare theory, public action and ethical values: Re-evaluating the history of welfare economics”(仮題)として出版する方向で具体的な検討を進めている。 Backhouse, Bateman, Nishizawa, Plehweの編集で進めてきたLiberalism and the Welfare State: Economists and Arguments for the Welfare Stateについて、微調整・改訂、校正等を行い、Oxford University Pressから近刊予定である。西沢、平井俊顕の編集で進めている『ケンブリッジ学派の経済思想』(仮題、ミネルヴァ書房)も序章の作業等を行い、校正刷りを待つところである。後藤玲子『潜在能力アプローチ:倫理と経済』(岩波書店、2017年)も関連する成果である。また『学際』(2016年9月)所収の「ケインズ」に関わる西沢、小峯敦の小論も関連する成果である。 Caldari, Nishizawa で進めている、マーシャルの未刊の手稿 “Progress” を再構成する作業も、校訂注の作業を進め、Book 1については、Marshall Studies Bulletinに原稿を送る準備をしているところである。
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