研究課題/領域番号 |
25245043
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山崎 福壽 日本大学, 経済学部, 教授 (10166655)
|
研究分担者 |
瀬下 博之 専修大学, 商学部, 教授 (20265937)
日引 聡 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30218739)
青木 研 上智大学, 経済学部, 教授 (70275014)
浅田 義久 日本大学, 経済学部, 教授 (70299874)
中川 雅之 日本大学, 経済学部, 教授 (70324853)
有村 俊秀 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70327865)
宅間 文夫 明海大学, 不動産学部, 准教授 (80337493)
川西 諭 上智大学, 経済学部, 教授 (90317503)
|
研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2018-03-31
|
キーワード | 時間整合性 / 都市防災対策 / 事後的救済・補償 / モラル・ハザード / 民主的選挙制度 / 開発規制 |
研究実績の概要 |
1.災害の対策には、事前の防災対策と事後の救済・補償対策がある。事後的な救済をしないと約束することは政治的に不可能である。このとき、時間非整合的行動を検討しなければならない。この検証については、実証研究の基礎となるモデルを構築した。現在、モデルの改善に努めている。 2.事後の救済と同時に事前の防災対策が重要であるが、事前の対策としての開発規制のあり方についての分析グループは、理論的整理を終えて、実証のためのデータ利用可能性を検討中である。 3.民主的な選挙制度は人気取りの政策をもたらしがちであり、これが、時間非整合な行動の原因となる。選挙制度を通じた事前対策と事後対策の非整合性は、日本の選挙結果にも現れているかもしれない。この研究グループは、実証モデルの構築とデータの収集作業中である。 4.日本の都市圏における木造住宅密集地域の危険度を測る作業が重要であるが、これをヘドニックアプローチを用いて、実証する作業を継続中である。ある程度、安定的な推定結果が得られつつある。データを拡張して東京以外の都市についても分析を始めた。 5.その他、借地借家法やマンション法等は、既存住民の居住権を過度に保護しているために、危険な地域の再開発が進展しない原因の一つである。都市防災の観点から、こうした地域の再開発を進めることが需要であるが、そのためには、法改正が必要である。どのような改正が必要であるかについて、権利/規制制度の研究グループは、理論的整理を進めているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予想したとおりの達成度であると思われる。実証モデルの構築までの時間は、ある程度予想できるが、そのための実証データの取捨選択には、予想よりも時間がかかっている。 また、現在構築している理論についてはどの程度改善できるかには不確実性がともなう。この点は当然の結果であろう。その他、権利や規制の研究は文献作業が中心なので、進展状況は予想通りである。
|
今後の研究の推進方策 |
1.時間非整合的行動の理論の完成に向けた作業を続ける。 2.防災対策としての開発規制についての実証モデルの構築作業と検証作業を開始する。 3.政治的モデルの構築と実証研究を開始する。 4.権利や制度についての研究は海外ヒアリング等を通じて、理論的整理を続ける。
|