研究課題/領域番号 |
25245063
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
亀田 達也 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (20214554)
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研究分担者 |
中丸 麻由子 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (70324332)
高橋 伸幸 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80333582)
犬飼 佳吾 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (80706945)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 集合知 / 計算論モデル / 相互作用実験 / インターネット実験 / 種間比較 |
研究実績の概要 |
Arizona State University のStephen Pratt教授研究チームとの共同研究として「ヒト―アリ比較集合知実験」を進めた。亀田チームは、Amazon Mechanical Turkを用いたインターネット実験を設計、3000名を超える被験者の参加を得て、多腕バンディット状況におけるヒトの集合知の発生状況に関するデータを収集した。Prattチームは、同様の実験プラットフォームを用いて、アリのコロニーにおける集合知の発生に関するデータを収集した。この検討から、ヒト、アリという2つの高次の社会性をもつ生物種の間で、個体間での社会的影響アルゴリズムの微細な差異が、集合レベル・コロニーレベルでの可塑性に大きな違いを生み出すことが明らかになった。また、10名前後の小集団を用いて情報カスケードの発生プロセスを調べる実験を、課題や状況パラメターを変化させながら合計4つ行った。1つは、Toyokawa, Kim & Kamedaの論文としてPlos Oneに刊行されている。残りの3つについては、解析を進めていると共に、論文化に向けて執筆を開始している。また、これらの研究成果に基づき、亀田は、Heidlberg Universityで開催されたNeuroeconomics Summer Schoolおける招待講演・招待講義を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の成果は、上述のHeidelberg Universityにおける招待講演に見られるように、すでに一定の国際的注目を受けている。また、これらの成果を知ったフランスCNRSの複雑系研究者から共同研究の申し出があり、2015年の夏に共同実験が行われる。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、人間集団において集合知の生まれる認知的・生態学的な条件について検討を進める。上述の国際共同研究に加え、新たに数理情報学の研究者との共同研究を開始することで、本研究の実証データと、物理・情報科学的な数理モデルとのマッピングを行う。
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