研究課題
ヒトは,資源の分配に関して,不公平な配分に対しては高い感受性を示し,それは幼い乳児期から見られることがわかっている.すなわち,乳児期であっても,利益の被供与者が平等に資源を配分されることを期待することがわかっている.本研究では,乳幼児を対象として,そのような公平感は社会的文脈を考慮したうえで立ち現れるのかを明確にし,また公平感に対する感受性の傾向と後の向社会行動との関係を明らかにすることを目的とする.乳児および成人の脳波を計測し,公平感の神経基盤を特定することもあわせて検討する.当該年度の、主な成果は次の通りである。1)乳児は、社会的文脈(善行または悪行をするエージェント)に応じて、そのエージェント資源分配を予測する(善行するエージェントは公平に分配する)ことを見出し、PLOS ONEに投稿した。2)成人を対象に、1)の場面を見せた場合の脳波(ERP)を計測し、公平感に関与する脳内基盤を検討した。すなわち、成人を対象として、先行刺激として提示されたキャラクターの社会的情報(prosocialかantisocialか)が、後の同一キャラクターによる資源配分(公平な分配か不公平な分配か)の知覚に影響を与えるか否かを事象関連電位(Event Related Potential: ERP)を計測することにより検討した。その結果、antisocialなキャラクターの分配行動に対してlate positive potential(LPP)に有意な差が見られた。この結果は、PLOS ONEに発表された。3)16カ月齢時点の援助行動(実験者が、手の届かないものを、参加児が拾って渡す:out of reach task)と運動発達が関係しているらしいことがわかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件)
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