研究課題/領域番号 |
25245069
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
杉田 陽一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40221311)
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研究分担者 |
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (10129033)
月浦 崇 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (30344112)
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研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2016-03-31
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キーワード | 異種感覚統合 / 運動視 |
研究実績の概要 |
静止した視覚刺激の点滅に同期させて、音を左右から交互に提示すると、視覚刺激が左右に動いて見える。この現象の脳内メカニズムを明らかにするために、fMRIと誘発電位法を用いて脳活動を計測した。また、主観的判断と合わせて、パブロフ型分化条件付けの手続きを用いて、刺激に対する応答を記録した。 視覚刺激の点滅に同期させて、音を片耳あるいは両耳から提示しても、視覚刺激は同じ場所で点滅しているように感じられ、視覚連合野(MT野)の活動にも変化は見られなかった。ところが、点滅に同期させて、音を左右から交互に提示すると、視覚刺激が左右に動いて見えるようになり、MT野が強く活動した。この結果から、視覚連合野(MT野)が聴覚系からの入力も受けて視聴覚情報統合を行っていることが明らかになった。また、パヴロフ型分化条件付けを用いて応答を記録すると、主観的判断を行う以前の感覚情報処理の様子が記録できることが明らかになった。このうち、心理(行動)実験の結果は、昨年度の欧州視覚学会と北米神経科学学会で発表した。また、心理実験に関する論文は、国際誌(Journal of Vision)に掲載された。fMRI実験の結果は、今年度の北米神経科学学会で発表し、国際誌に投稿する予定である。また、視聴覚刺激に対する誘発電位の結果と合わせて、脳内の情報伝搬の推定を試みる予定である。 今年度は、感覚情報を処理する際に、他のモダリティの感覚情報も合わせて処理していることを確認するために、体性感覚系による動きの処理も合わせて検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
fMRIによる脳活動測定は予定通りに進捗しているが、誘発電位法による脳活動計測は、改装された実験室でのハムノイズ除去に手間取っている。
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今後の研究の推進方策 |
誘発電位計測を早急に行って、fMRIによる活動部位の推定結果と合わせて、急ぎ解析する。
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