研究課題/領域番号 |
25246017
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研究機関 | 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
竹内 昌治 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 人工細胞膜システムグループ, プロジェクトリーダー (90343110)
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研究分担者 |
大崎 寿久 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 人工細胞膜システムグループ, 研究員 (50533650)
神谷 厚輝 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 人工細胞膜システムグループ, 研究員 (70612315)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膜タンパク質(イオンチャネル) / 薬剤スクリーニング / 脂質膜 / マイクロ・ナノデバイス |
研究実績の概要 |
本研究では、イオンチャネルの高速並列機能解析プラットフォームを構築することを目的としている。そのために、次の3つの研究項目を推進する。①人工細胞膜システムを実現し、②創薬で最重要とされるhERGイオンチャネル膜タンパク質を再構成する手法を確立する。さらに、③hERGチャネルの薬剤スクリーニング試験により実用性を示す。具体的には、研究項目①ではイオンチャネル解析システムの集積化を進め、計測結果取得の効率・再現性の高いプラットフォーム開発を行うことを目的とする。項目②では、培養細胞や無細胞合成系によって得られるイオンチャネルを、①上に形成する人工細胞膜へ再構成する手法を確立する。項目③では、①と②を併せ、阻害剤・亢進剤に対するhERGチャネルの応答を定量的に取得した上で、従来法結果と比較し、提案するシステムの実用性を検証する。最終的には、従来の細胞パッチ法の課題を補う、新規のイオンチャネル高速並列解析プラットフォームとして実用化することを目指している。 平成27年度は、①マイクロチップを含めたイオンチャネル並列解析プラットフォーム全体のプロトタイプ製作を行った。具体的には、人工細胞膜が形成されるセパレータ部品をはじめとしたデバイス構造の見直し、またデバイスの設計変更に伴うマウントユニットの再製作を行った。その際、前試作でのイオンチャネルシグナル取得の信頼性や電気的・物理的ノイズの低減効果、計測時の操作性など、性能評価にもとづいた改良を加えた。また、②および③については、培養細胞からの膜タンパク質の調製法、導入法の検討を引き続き行った。特に人工細胞膜に対する膜タンパク質の導入条件は、個々の膜タンパク質に依存するため、共同研究先等から入手した膜タンパク質について広範に導入条件を探索し、データベース化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成27年度の目標である、①プロトタイププラットフォーム製作、②イオンチャネル機能解析結果のデータベース化ともに順調に進んでおり、hERGに限らず他の薬剤標的イオンチャネルの評価実施を行っている状況にある。本研究の目的であるイオンチャネル解析プラットフォームとしての基盤技術確立を現段階で概ね達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成28年度は、実践的に利用できる膜タンパク質を用いて、計測システムのノイズレベルやシグナル応答性能を評価し、不具合があれば検証し、システムの改良につなげる。また、薬剤標的イオンチャネルの機能評価を着実に進め、提案する並列解析プラットフォームの特長の明確化をはかる。
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備考 |
論文掲載後に随時、追加予定
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