研究課題
最終年度である27年度は、(1)スピンMOSトランジスタの高性能化、(2)シリコンスピン素子を用いたスピンカロリトロニクス効果の研究、の2点を研究の主眼とした。(1)のスピンMOSトランジスタの研究では、素子構造の更なる改良により室温において、通常のFET素子のon/off比が5桁得られると同時にスピン信号のon/off比も3桁以上得られる素子の創出に成功した。(2)のスピンカロリトロニクス効果の研究では、縮退領域・非縮退領域にあるシリコンスピンチャネルにおいて、スピン依存ゼーベック効果に起因する純スピン流及びスピン偏極電流の生成及びそれによるスピン信号の観測に室温で成功した。更に非縮退領域にあるシリコンをチャネルとするシリコンスピンMOSトランジスタ素子において、スピンカロリトロニクス効果によるスピン信号をゲート電圧によって変調することにも成功した。以上のように電気的・熱的に生成したシリコン中のスピンカレントをゲート電圧で自在に制御するという大きな成果を達成することができた。尚、今年度は本研究の成果の一部に対して応用物理学会シリコンテクノロジー分科会論文賞(2014年度に発表の論文に対して)、及び応用物理学会英語講演奨励賞(大学院学生に対して)が授与された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Express
巻: 8 ページ: 1-3
http://dx.doi.org/10.7567/APEX.8.113004