絶縁体表面上のナノ構造体の電荷状態は、表面欠陥との電荷移動により大きく影響を受ける。実際、絶縁体表面上のナノ構造体の物理・化学的性質は、表面の欠陥構造により劇的に変化する。従って、新しい機能を有するナノ構造体を思い通りに設計するには、絶縁体表面の欠陥とナノ構造体との間の電荷移動を含めた相互作用の理解が本質的に重要である。本研究では、絶縁体表面の欠陥とナノ構造体との間の電荷移動現象を解明するとともに、ナノ構造体の構造と電荷状態との関係を研究した。具体的には、アルミナ表面の線欠陥に構築されたパラジウム原子からなるナノ構造体を取り上げ、ナノ構造体が負に帯電することを解明した。
|