研究課題/領域番号 |
25246028
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡部 平司 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90379115)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 表面・界面物性 / 界面反応 |
研究実績の概要 |
研究計画に従って、当該年度では、①Ge-MOSヘテロ界面での熱拡散挙動の精密測定、②トップダウンプロセスにより引張り歪み印加したGe薄膜の発光特性ならびにエネルギーバンド構造解析、③発光特性向上とCMOSトランジスタ応用を目的とした溶融成長Ge半導体微細構造へのn型ドーピング技術を検討した。さらにデバイス試作を通じた当該技術の優位性実証のため、④局所溶融成長GeおよびGeSn半導体をチャネルとした電界効果トランジスタ(FET)を試作し、従来のSiやバルク(無歪)Ge基板上に形成したデバイスと比較して高いキャリア移動度を達成すると共に、⑤当該技術を透明基板(石英基板)上の光電子ハイブリッドデバイスに応用すべくSn添加、引張り歪み印加、さらには高濃度n型ドーピングによるGeSn半導体からのPL発光の大幅な増大を確認すると共に、⑥石英基板上の高Sn組成引張り歪みGeSnを用いたp-FET及びn-FET動作を確認し、CMOS回路実現に向けて大きな成果を得た。加えて、⑦上述のトップダウンプロセス引張り歪み印加Geや、石英基板上の引張り歪みGeSn層への電流注入によるEL素子の試作を開始し、最終年度での光電子ハイブリッドデバイス完成に向け、多くの研究成果を得た。これらの研究成果を電子・光デバイス分野で世界を代表する国際会議(International Electron Devices Meeting (IEDM 2016))で発表すると共に、Applied Physics Letters誌への論文掲載も含め、積極的な成果発表を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高Sn組成引張り歪みGeSnを中心とした混晶半導体材料創成ならびに、それを用いた高性能電子デバイスや発光デバイスの動作実証が順調に進んでいる。また、当該領域を代表する国際会議(IEDM 2016)採択に加え、本年度開催予定の重要会議(VLSI Symposium)にも連続して論文が採択されており、極めて高い外部評価を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
局所溶融成長によるGeSn混晶材料作製技術の更なる高度化を図ると共に、電子デバイス応用ではFET、特にn-FETの性能を改善し、石英基板上での高性能CMOS回路実証を目指す。加えて、高濃度Sn添加と引張り歪み印加によってバンド構造を変調した直接遷移GeSnを発光層あるいは受光部として光デバイス試作を継続し、最終目標とする光電子ハイブリッドデバイスを完成させたい。
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備考 |
研究室ホームページ http://www-asf.mls.eng.osaka-u.ac.jp/
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