研究課題
まず本年度以前も含めてこれまでの進捗について簡単に述べる。本研究でねらう自発的な共鳴・発振は全く新しい試みであるので、まずパルス発振よりも容易と考えられるCW発振のシステムに対して研究を始めた。CWにて約20万倍という非常に高い増倍率をもつ光共鳴蓄積空洞の動作に成功し、自発的な共鳴・発振を確認した。約 20 万倍という非常な高増倍率にもかかわらず、自発共鳴・発振のための一切のフィードバック制御は不要であった。外乱にも大変強く、小さなハンマーで空洞を叩いた場合、その瞬間は発振が止まるが、すぐに数十ミリ病程度の後に、一切の操作なく、またアクティブな制御にも依らずに、自発的に発振が回復した。これらの確認により自発共鳴・発振というコンセプトの正しさを実証できた。つぎにモードロックパルス化の研究に進んだ。まず実用機よりも空洞を10倍程度長くしたシステムを用いてパルス化の研究を進めた。実用機よりも一桁長い空洞を開発したのは、光路一周とその中に入る空洞の長さの比が小さな方がパルス化が容易になる事が予想されたからである。このシステムにおいて自発的な共鳴・発振の確認に成功した。以上の進捗を元に、空洞長を実用機と同じ長さにまで短くしたシステムでのモードロックパルス化の研究を進めた。この短い空洞でも自発共鳴・発振のモードロックパルス化を観測できた。ただしこの短い空洞長のシステムではモードロック発振が不安定で、すぐに止まったりQスイッチ的発振に変化したりする現象が観測された。このため本年度は自発共鳴・発振空洞のモードロック発振を安定化するための研究を重点的に行った。まだ十分に安定とは言えないが、安定化のためにモードロックのアクテブ化の研究や、レーザー発振を解析するためのシミュレーションコードの開発などを進めた。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Review of Scientific Instruments
巻: 89 ページ: -
10.1063/1.5003955
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B
巻: 402(1) ページ: 370-372
10.1016/j.nimb.2017.03.081