研究課題
「あかり」遠赤外線画像は、星間塵輻射スペクトルのピーク付近の波長帯を複数の波長(65, 90, 140, 160μm)で観測することにより、銀河系内星間ダストの温度及び柱密度の分布をこれまでに無い高い空間分解能で明らかに出来る点が大きな特徴のひとつである。2015年に公開した「あかり」遠赤外線全天強度画像には、しかしながら画像タイル毎の絶対強度にオフセットが残っており、ダストマップ作成の際にはこの領域毎のオフセットの違いが問題となる。またS/Nの観点から空間分解能を機器分解のに比べ2倍程度劣化されたものであった。これらを解消するため画像作成プロセスの大幅な見直しを行い、全天にわたりオフセットを取り除き、空間分解能も機器本来の分解能まで向上させたプロセス手法を確立した。この手法を用いた全天の新たな強度画像プロセス作業を進行中であり、作業完了し次第、この新たな画像を用いたダストマップの作成、及び新たな強度画像とダストマップの公開を行う。太陽系内ダスト輻射(黄道放射)の強度分布に関しては、特に小惑星起源ダストの放射の主要な構造に関して、「あかり」の観測データに基づく輻射分布の新たなモデルを構築し(Ootsubo et al., 2016)、「あかり」の各観測波長バンドでのモデル・テンプレートを作成した。これを用いることで「あかり」の観測強度を太陽系内のダスト輻射成分と銀河系ダストの輻射成分に分離することが可能となった。更に黄道放射中のより微細な構造にも着目し、現在から100万年以内に起こった小惑星の衝突で形成されつつある小惑星ダストバンドについても、「あかり」でその構造をとらえることに成功した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
AKARI Far-infrared All-Sky Survey Mapshttp://www.ir.isas.jaxa.jp/AKARI/Archive/Images/FIS_AllSkyMap/
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