研究課題
宇宙におけるダストに覆われた星形成活動の変遷を探るため、遠赤外線域で顕著に明るい[CII] 158μm輝線の観測により、ダストに隠された爆発的星形成銀河の系統的な分光観測を可能とする、新しいサブミリ波帯超広帯域分光計DESHIMAの技術実証機の開発を進めている。研究2年次となる平成26年度は、以下のような開発研究を行った。(1) DESHIMAの実験室評価、特に350GHz帯での分光性能の評価を行った。迷光対策なども盛り込んだ、新しい構造を持つチップを設計・製造し、設計通りに、波長分解能 R = 700 程度の分光性能が達成されていることを確認した。(2) ASTE望遠鏡に搭載するための光学系の検討を引き続き進めた。受信機室内で、同時期に搭載される可能性が高い超伝導遷移端センサー(TES)カメラと両立する光学系およびその支持機構の検討を進め、実現可能な解を得ることができた。(3) 読み出し回路の評価実験を開始した。また、読み出したデータのフォーマットの策定を、望遠鏡とDESHIMAとの時刻同期方式の検討および解析をどのようなソフトウエアで進めるかの検討とあわせて進めた。ボロメーターカメラのデータ解析ソフトとして実績のあるBoAでの解析を念頭に、MBFITS形式でのデータ取得を行うことにした。
2: おおむね順調に進展している
研究推進の中軸を担う特任教員として非常に優秀な人材の招聘に成功した。開発・研究を活発に進めることができており、順調に推移していると評価できる。
いよいよ望遠鏡への搭載に向けたさまざまな準備を着実に進めていきたい。機械式冷凍機の駆動に必要なヘリウム配管やチラーなどの搭載方法の検討も今後さらに進めていく。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 8件)
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