研究課題
宇宙におけるダストに覆われた星形成活動の変遷を探るため、遠赤外線域で顕著に明るい炭素イオンからの[CII]158μm輝線の観測により、ダストに隠された爆発的星形成銀河の系統的な分光観測を可能とする、新しいサブミリ波帯超広帯域分光観測システムDESHIMAの技術実証機の開発を進めている。研究最終年次となる平成28年度および繰越を行った平成29年度における研究開発の成果は以下のようにまとめられる。(1) 実験室における技術実証機用超伝導フィルターバンクの評価を行い、330-370GHzの帯域を49チャンネルで分光できることを実証した。分光解像度(R=λ/Δλ)は300+/-50を達成した。(2) 技術実証機を南米チリ・アタカマ砂漠で運用している口径10mのサブミリ波望遠鏡ASTEに搭載を行い、オリオン分子雲や系外銀河NGC253などからの天体信号を実際に検出することにより、on-chip型の超伝導フィルターバンクを使った超広帯域サブミリ波分光システムというコンセプトの天体信号を使った実証に成功した。観測手法やデータ解析の手法についても、これからさらに検討・開発すべき項目は多数あるが、世界に先駆けて、on-chip型超広帯域サブミリ波分光システムの天体信号を使った実証に成功したことは大きな成果である。観測を実施した天体には、高赤方偏移銀河も含まれており、技術実証はもちろん、新たな天文学的知見も得るべく、取得できた膨大な観測データの解析を進めていく予定である。今回の成果を基盤として、さらに一桁広い周波数範囲を一挙に分光できるシステムの実現も、いよいよ視野に捉えることができた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 10件、 招待講演 7件)
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