研究課題
インド気球観測実験用の遠赤外線[CII]スペクトル線ファブリ・ペロー分光装置の調整・整備を行った。まず、この観測装置に使用されるファブリ・ペロー分光器の波長透過曲線の測定を行った。そのために、実験室に所有する分光器を遠赤外線で使用できるように整備した。ファブリ・ペロー分光器の波長感度特性を測定するためには、この分光器のサンプル室に平行光を作る必要がある。この平行光を作る補助光学系を設計・制作した。この光学系を用いて、ファブリ・ペロー分光器の波長透過曲線の測定を実施した。さらに、この分光装置の冷却装置であるクライオスタットの整備も行った。とくにクライオスタットの真空バルブに不具合が見られたので、改修・交換を行った。これらの改修後、クライオスタットを冷却した環境でのファブリ・ペロー分光観測装置の検出器DC感度、ノイズ性能測定を行った。これらの結果、観測装置して良好な性能を有していることを確認できた。また分光器評価用標準光源を電源の改修を行い、この標準光源を用いて分光器の視野の測定、波長感度性能の測定を行った。平行して、Ge:Ga検出器の作成・評価を実施した。現状のGe:Ga検出器では不純物Gaの濃度が足りず、[CII]スペクトル線158マイクロメートルの波長までを十分にカバーできていないため、Ga濃度を4倍に上げて、表面活性常温ウェハ接合技術によって、この高ドープGe:Ga層と高純度Ge層を接合した試験評価素子を製作した。遠赤外線分光器で波長感度特性を測定した結果、カットオフ波長が210マイクロメートルまで伸びていることが確認された。
3: やや遅れている
ファブリ・ペロー光学調整試験に使用していた赤外線フーリエ分光装置に故障が生じたため、当装置の修理・調整が必要となり、ファブリ・ペロー光学調整試験以降の実験に遅延が発生した。
クライオスタットの整備を終え、観測器の性能評価を行った後に、平成27年度夏にインドへ輸送する計画である。
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Astronomy & Astrophysics
巻: 556 ページ: id.A92.1-9
10.1051/0004-6361/201321614