研究課題
インド・ハイデラバード気球観測所において、一階電離炭素が出す遠赤外線[CII]スペクトル線を用いた大質量星形成領域の観測を行う。そのための観測器の準備、および観測天体の調査を行った。[CII]スペクトル線用のファブリペローの光学調整を終え、検出器系を整えて、観測器システムをクライオスタットへインストールした。温度2 Kに冷却して、性能評価試験へと進んだが、その際に、真空リークの不具合が発生した。真空リーク試験などによって、液体ヘリウムタンクの上部に問題箇所を同定し、その部分に対して補修処理を行った。不具合の特定と修復に9ヶ月が必要となったため、年度繰り越しを行った。その後、繰り返し、冷却試験を行ったが、再び、補修個所から微妙なリークが発生するようになり、2 K冷却が困難となった。そのため、このクライオスタットの使用を断念し、新しいクライオスタットへの観測器システム移行を行った。平行して、観測天体の調査を行うべく、「あかり」全天データなどをもとに、銀河面星形成領域の探査を行った。国内外の学会に参加して、関連情報を入手すると同時に、観測計画内容などの報告を行った。
4: 遅れている
インドへ発送予定であった液体ヘリウムクライオスタットが、観測器の評価試験を実施中に、真空リークのトラブルを起こした。その不具合の特定と修復に9ヶ月が必要となった。なお、修復後、しばらくは問題なく冷却試験を行えていたが、繰り返し試験を実施した結果、補修個所が再びリーク現象を示すようになったため、このクライオスタットの使用を断念し、新しいクライオスタットへ観測器システムを再インストールすることにした。
平成27年度内に、新しいクライオスタットへの観測器の再インストール作業を完了し、全ての評価項目の試験を終える。冷却サイクルを繰り返し、クライオスタットおよび観測器に問題がないことを確認する。平成28年度前半にインドへの出荷準備を終える。平成28年度後半に現地での気球望遠鏡とのフィットチェックを行って、観測へと進む予定である。
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Planetary and Space Science
巻: 100 ページ: pp.6-11
10.1016/j.pss.2014.01.017