研究課題
平成28年度は、分光器を整備・出荷前試験を行い、インド・ハイデラバードにあるタタ基礎科学研究所の気球放球基地へ輸送した。平成28年9月に、現地にて分光器の動作確認を行ったところ、輸送による分光器の故障が分かった。修理に、平成28年11月までかかり、平成28年度の観測機会を逃した。そこで次年度へ繰越申請を行った。平成29年度は、予定通り2回の気球観測実験を行い、観測データの取得に成功した。平成29年11月の実験では、11月30日インド標準時 22:15 に気球が無事に打ち上げられ、約2時間後に高度約30 km に達し、銀河系内に存在する4つの大質量星形成領域(W3, RCW36, NGC2024, Mon-R2)を約5時間かけて観測した。また、平成30年3月の実験では、3月19日インド標準時 21:40 に気球が無事に打ち上げられ、11月期の観測天体とは異なる6つの大質量星形成領域(Carina, NGC6334, NGC6357, W31, RCW106, W40)を観測した。観測終了後、分光観測装置単体の性能評価を行い、観測前の性能を再現することを確認した。これまでに本研究で整備を進めてきたデータ解析ツールを用いて、11月期の観測データの解析を進めた。一階電離炭素スペクトル線[CII]が、ほぼ性能どおりの感度で検出されていることを確認した。さらに、最も明るい天体であるW3においては、[CII]輝線のマップの作成までを行った。また、気球観測実験と平行して、遠赤外線Geアレイ検出器(5x5フォーマット)を搭載した分光観測装置の開発を進めた。装置の重要なコンポーネントである検出器と分光器の性能評価を進め、その進捗状況をインド側と共有した。さらに、観測期間中にインドチームと気球望遠鏡とのインターフェース調整の議論を重ね、新たな分光観測装置の気球望遠鏡への搭載に向けて準備を進めた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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