研究課題
本研究は、広視野ミリ波サブミリ波観測を目的として超伝導MKID (microwave kinetic inductance detector)カメラを開発した。1モジュールあたり、600画素のMKIDカメラを開発し、4モジュールで2000画素をカバーすることが可能となった。本研究では、超伝導素子にとどまらず、天体観測に必要な、多素子データ取得システムや極低温冷却光学系の開発を並行して行った。さらに、観測システムとしての成立性を確認するために野辺山45m鏡にて搭載試験を行った。MKID素子は、シリコン基板上の転移温度1.2Kの超伝導アルミニウム薄膜を用いている。ミリ波サブミリ波を受診するダブルスロットアンテナとシリコン基板レンズアレイを組み合わせて集光効率を高めている。観測周波数90 - 110GHzであり、超伝導共振器は4GHz帯を用いた。冷却システムは、希釈冷凍機とGM冷凍機を組み合わせたものである。野辺山45m鏡のクーデ焦点の一つであるM4鏡の焦点のNOBAポートに設置し、80 mKで動作した。大口径シリコンレンズを4K (対物レンズ)と1K (接眼レンズ)に冷却したコンパクトな屈折式光学系を開発し、既存の45m望遠鏡との光学結合も確認した。また既存の望遠鏡ソフトウエアと新たに開発したFFT型多素子MKIDデータ取得システムの整合性も確認している。以上、実りの多い研究成果が得られた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Transactions on Applied Superconductivity
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10.1109/TASC.2016.2530998
Proc. SPIE
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