研究課題/領域番号 |
25247039
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下田 正 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70135656)
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研究分担者 |
小田原 厚子 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30264013)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中性子過剰核 / island of inversion / 31Mgの核構造 / ベータ遅発崩壊 / ガンマ線遷移 / 中性子崩壊 / スピン偏極 / レーザー光ポンピング |
研究実績の概要 |
本研究の目的の第一段階である31Mgの核構造を解明するための実験を、平成26年8月26日から9月2日の7日間にわたって、カナダTRIUMFで行った。まず、31Naビームのスピンをレーザー光ポンピング法を用いて偏極させるために、これまでに実績のある30Naビームを用いてシステム全体の較正を行った。次に31Naを32%の偏極度でスピン偏極を生成することに成功し、ただちにそのベータ崩壊遅発ガンマ線放出および中性子放出を測定し、31Mgの準位の励起エネルギーとそのスピン・パリティ、遷移確率を求めた。その結果、5つの準位のスピン・パリティを決定できた。また、中性子のスペクトルの解析から、中性子放出閾値より上にある21の準位の励起エネルギーを初めて確定した。これらの実験結果と理論計算を比較することによって、通常の殻模型では説明できない状態が存在することを突き止めることができた。現在、より詳細なデータ解析を行っている。 今回の実験では加速器グループとの連携が非常に成功し、期待の10倍のビーム強度を得ることができた。そのため、較正用に取得した30Mgのデータからも、2010年に得たデータを上回る情報を得ることができた。特に、30Mgには特異な運動モードがあることを明確にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していたデータは全て成功裏に取得し、データ解析もほぼ完了した。31Mgの核構造に関する新しい発見をいくつもできた。また、当初計画していなかったが、30Mgの特異な運動モードも明らかにすることができた。これらの成果は、当初の計画を遙かに上回る。
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今後の研究の推進方策 |
32Mgの核構造に関するデータ解析を完了させて、論文にまとめる。さらに、30Mgの特異な運動モードに関する論文を執筆する。また、32Mgの核構造を調べる実験の準備を行う。
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