研究課題
小野瀬は、昨年度観測に成功したLiFe5O8におけるジャロシンスキー守谷相互作用に由来するマグノン伝搬の非相反性について、データ解析・補足実験を行い、論文として纏めPhys. Rev. B誌に出版した。また、空間反転対称性が破れた反強磁性体CuB2O4においてマイクロ波の非相反性を見出し、それが結晶空間反転や磁場反転に伴い反転することを確認した。さらに詳細な磁場方向依存性の解析により、これがスピン依存d-p混成モデルによる電気磁気結合に由来することを明らかにした。さらには、マイクロ波応答の電場制御に向けてヘキサフェライトらせん磁性体におけるマイクロ波応答の研究も行った。貴田は、数々の磁性体ならびに強誘電体・圧電体からのテラヘルツ電磁波発生の観測を行い、以下の三つの成果を得た。①フェリ磁性体であるBaFe12O19において、磁化変調によるテラヘルツ電磁波が発生することを見出した。励起波長依存性を測定できる波長可変テラヘルツ光学系を新規に構築し、Feのd-d遷移を共鳴励起することで発生効率が増大することを明らかにした。②BiFeO3からテラヘルツ電磁波発生を見出し、分極方向の位相の違いを利用することで、電気分極ベクトルの可視化に成功した。③光学活性を示すカイラル圧電体に、室温において直線偏光のレーザーを照射すると、結晶内で偏光回転が生じた結果、出射するテラヘルツ電磁波が楕円偏光になる新たな現象を見出した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Phys. Rev. B
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