研究課題
非断熱加熱とバランスする3次元物質輸送を新たに導出した。この理論式、過去の3次元残差流に加え、停滞性擾乱に伴う温位面、渦位面の揺らぎに着目することで導くことができた。この理論式で表現される流れは、従来の理論が持つ擾乱の砕波に伴う流れを含み、非断熱加熱や摩擦ともつりあう流れである。全大気モデルGAIAの再解析データをナジングした長期積分データを用いて、中層大気全体の運動量収支解析を行った。その結果、中間圏においては、それまで考えられていた対流圏からの重力波強制に加えて、中間圏でのロスビー波発生や重力波発生がありその効果も大きいことを見出した。また、中間圏でのこれらの波の発生は、対流圏からやってくる波強制が作り出した平均場の不安定によるものであることも示すことができた。東西方向の波強制による子午面循環の形成過程に関し、グリーン関数を用いた理論考察も行った。これによれば、波強制が与えられた直後は、まず惑星規模の重力波が発生することによって調節される。その後、東西風が波強制の方向に加速され、残りは子午面循環を形成する。さらに放射緩和時間に到達すると、ほぼすべてが子午面循環とバランスするようになる。全球高解像度大気モデルJAGUARおよび全球非静力学大気モデルNICAMを用いて2017年1-2月の国際大気レーダー共同観測期間を対象に現実的な初期値を用いたマルチモデル再現実験を実施し、世界各地で行われたレーダー観測による対流圏から下部成層圏にかけての風速3成分データを用いてモデルの再現性と予測可能性の評価を行った。バランスした渦と重力波を表現する最も簡略化した系であるf平面浅水系を用いた自発的放射の研究を行った。楕円渦から放射される重力波の遠方場を解析的に導出し、数値実験によって、解析解の検証と解析解の適用できない状況下での重力波放射を調べ、高低気圧渦の非対称性を明らかにした。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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