研究課題
基盤研究(A)
・4波長のオーロラ・大気光を撮像する高感度全天カメラ1式、64HzサンプルでULF波動を観測する誘導磁力計2式、20kHzサンプルでVLF波動を観測するループアンテナシステムを2式、銀河電波吸収を観測するリオメータ2式を、名古屋大学・金沢大学・情報通信研究機構が協力して製作した。・観測点候補地であるカナダ東海岸のFrederictonを平成25年度に訪問し、現地の担当者との打ち合わせと、必要な物品の手配を行い、平成26年度前半の設置の準備を行った。また、関連機器による定常観測が行われている既存の観測点であるアサバスカ、トロムソ、マガダン、パラツンカ、レゾリュート、国内の母子里、陸別、信楽、鹿児島、佐多などの自動観測を維持・継続した。・アサバスカ、マガダン、パラツンカの誘導磁力計の同時観測データを解析して、Pc1帯地磁気脈動の振幅変調が観測点ごとに少し異なる例を見出した。この結果から、この波動の振幅変調が磁気圏ではなく電離圏の伝搬中にうなりによって発生していることを新たに示唆した。また、アサバスカで観測されたVLF/ELF帯コーラス波動の偏波解析を行い、この波動の偏波方向が時間的に変化すること、同じ時刻でも周波数によって方向が異なる場合があること、を新たに見出した。この結果は、コーラス波動の電離圏波源が時間的・空間的に移動している事を表している。これらの波動は、人工衛星に悪影響を及ぼす放射線帯粒子の加速や消失を引き起こしていることがわかっており、今回の結果は、この加速・消失過程の時間・空間変化に示唆を与えるものである。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定通り、カナダとロシアの異なる経度のサブオーロラ帯の2カ所に機器を設置する予定で、機器の購入と組み上げが進んでいる。カナダは平成25年度内に機器の現地への送付を完了している。ロシアも誘導磁力計を平成26年度に現地に送ることで打ち合わせが進んでいる。
平成26年度に、カナダ・フレデリクトンにVLF/ELF帯コーラス波動受信用のループアンテナと地磁気脈動観測用の誘導磁力計を設置する。また、誘導磁力計をロシアのジガンスクに設置し、テスト観測を開始する。今後、ジガンスクにもさらにループアンテナと高感度全天カメラを設置する。これらの観測を、現在打ち上がっているRBSP衛星やTHEMIS衛星、平成27年度に打ち上げられるERG衛星による磁気圏の直接観測と比較していく。
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http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti/
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http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/vlf/