研究課題
ドームふじアイスコアの約8万年前を対象に,数十年の時間分解能でベリリウム10を分析することで,宇宙線層序年代の土台となるアイスコア標準曲線の詳細化がなされた.また,当該年代区間周辺に対して,標準曲線に挿入する数値年代(O2/N2年代)を新たに測定し,年代モデルを改善した.太陽活動の極小期(マウンダー極小期)を対象に,ドームふじアイスコアの単年時間分解能ベリリウム10データを年輪の単年時間分解能炭素14データに同期させることで,この期間の高精度宇宙線層序年代を構築した.アルミニウム26の分析結果に基づいて,ドームふじアイスコアの複数核種深度曲線を構築し,将来得られるであろう100万年前以前にまで到達する南極アイスコアに適用するためのアルミニウム26/ベリリウム10放射年代決定について,その実現可能性を検討した.赤道太平洋域西カロリン海盆堆積物の詳細なベリリウム10分析を行い,ドームふじアイスコアと対比できる複数の特徴を,新たに見出した.こうした堆積物やアイスコアなどから得られた複数の古宇宙線強度記録を,ウェーブレット理論を用いて一度に同期する手法を開発した.また,堆積物から高分解能な古地磁気記録を得るための解析手法の向上にも努めた.さらに,地表生成のベリリウム10とアルミニウム26の分析,太陽活動ー気候間の対比,化学沈殿物のベリリウム10分析なども,昨年度に継続して行われた.本年度には,本プロジェクトで得られた宇宙線層序年代を時間軸とした研究が複数公表された.また,本年度に得られた成果のうちいくつかは,5月に行われる日本地球惑星科学連合・連合大会にて発表される.それ以外にも,成果をまとめた論文を作成中である.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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