研究課題
[事件1] 39億5000万年以上前の浅海成堆積岩から生物起源の有機分子を初めて検出した。これらの有機分子は分岐アルカンとスクアランが異常に多いことと、炭素数が奇数の分岐アルカンとn-アルカンが異常に少ないという点で35億年前以降には見られない組成を示す。スクアランは非生物的に作り出すことは困難である。[事件2] 堆積有機分子の酸素指標は40億年前と35億年前は無酸素環境で、27億年前にはローカルに酸化環境が存在し、25億年前に酸素が存在し, 24―23億年前に酸素量の極大を示した。約23億年前の全球凍結直後に極端温暖湿潤化を捉えた。[事件3] さらに、6億3千万年前の全球的凍結時は海洋無酸素を示し、エディアカラ紀―カンブリア紀初期の多細胞動物の進化と呼応して、3段階でより深い海へ酸素が入って行く様子を捉えた。エディアカラ紀末のエディアカラ生物群の絶滅時は海洋無酸素事件が起きた。[事件4] デボン紀後期とデボン紀―石炭紀境界の大量絶滅時の陸上維管束植物の植生崩壊と土壌流出を捉えた。[事件5] ペルム紀最後期―三畳紀初期の水深別海洋酸素構造変化を明らかにし、ペルム紀末大量絶滅の主因は表層水中の酸素と生物必須元素の不足とした。[事件6] 白亜紀―古第三紀境界の恐竜の絶滅は小惑星の衝突が原因であるが、そのプロセスが不明であった。有機分子と大気海洋モデル計算により、衝突クレーター内の有機物が燃焼し、そのすすが成層圏にエアロゾルを形成し、太陽光を吸収して、中高緯度の気温低下と低緯度の降水量減少を起こし、恐竜が絶滅しワニが生き残ったことを初めて示した。一方、海では、表層水温減少と光合成帯の縮小により、アンモナイトなどの絶滅が説明できた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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