研究課題
本研究では、堆積物ー水境界の動態を現場観測、室内実験、化学分析、遺伝子解析を通じて把握し、微生物の化学勾配の胴体変動から、その生態系機能を明らかにする。また、変動するSWIに生息する底生有孔虫類が、殻形成時にシストを作って一箇所にとどまり、24時間以上かけて殻形成を行うことに注目して、殻の微小構造に見られる微量元素組成のばらつきが堆積物ー水境界の動態とその機能の変動を示す指標であると考え、SWI 動態に関する代替指標を作成する。平成28年度は、1a) オプトード連続観測、1b)深海顕微鏡ー分析装置の製作、2) 形態と遺伝子による有孔虫の個体群動態、TEMによる細胞内器官観察による海底境界部における生態機能の把握、3) ケモスタットを用いた有孔虫の殻形成過程の把握と殻中の微量元素の定量,4) 同位体生態学的手法を用いた有孔虫の生態構造の理解に関する研究成果をまとめる。1a)では、神鷹丸研究航海に参加し、海底現場、SWIの微小環境を測定した。1b)では、機器の実験室および現場での試験を行い、有孔虫を含むメイオベントスの行動を観察できることが確認でき、開発の目処がついた。オプトードを用いた海底現場長期観測結果をまとめて、公表した。2)では、細胞内器官の観察を行い、論文にするとともにデータを整理した。3)では、ケモスタットによる実験を引き続き行い、殻形成の際に水素の役割が大きいことを明らかにした。一方、pCO2wo180ppm から 9,000ppm の間変化させて殻を形成させたが、殻形成過程や形成された殻構造に顕著な変化は見られなかった。つまり、殻形成時における水素イオンの排出が重要であるという結論になった。4)では、同位体生態分析を引き続き行い、データ整理を行った。これらの成果は国内外の研究集会で講演し、18論文にまとめた。プロダクティブであった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 7件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件) 図書 (2件)
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