研究課題/領域番号 |
25247088
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 栄一 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40144779)
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研究分担者 |
栗田 敬 東京大学, 地震研究所, 教授 (00111451)
東宮 昭彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30357553)
中島 淳一 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (30361067)
菅原 透 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40420492)
浜田 盛久 国立研究開発法人海洋研究開発機構, その他部局等, 研究員 (60456853)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 火山 / 火山活動 / マグマだまり / 深部構造 |
研究実績の概要 |
伊豆大島・三宅島火山の噴出物を用いて噴火直前のマグマだまりの温度、圧力、含水量を解明するための高温高圧相平衡実験をおこなった。伊豆大島、三宅島いずれの火山においても噴火前の玄武岩マグマに4-5wt%のH2Oが含まれていることが、1)斑晶組み合わせを再現する相平衡実験の結果、2)メルト包有物のガラスに含まれる含水量のFTIR分析、3)斑晶斜長石に含まれる微量のOH霊 などから明らかになった。さらに、斑晶斜長石の灰長石成分と含水メルトの含水量の規則性から推定した日本列島のほかの第四期火山のマグマの含水量も伊豆大島・三宅島と同程度に高いことが明らかになった。
地震トモグラフィーの手法で十和田から日光火山に至る東北地方火山前線の下の火山の深部構造を明らかにした。それによると火山前線にある多くの火山において地震学的に顕著なマグマだまりは地殻上部ではなく地殻下部(深さ20-30km)に発達していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
富士火山の深いマグマだまりを研究するために必要な8600気圧のガス圧装置が圧力漏れを起こすなど不調が続いている。このため2016年5月に同装置の大掛かりな分解点検を行うことになった。装置の修理完了後富士火山の深いマグマ溜りの再現実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
地震学トモグラフィー、火山噴出物の高温高圧相平衡実験、火山活動史を総合して日本列島の主要な活火山について深部構造のモデルを構築する。
2011年3月11日地震後の日本列島のように巨大地震によって地殻の広域応力場が水平圧縮から引張場に変化したとき長期的に火山がどのように応答をするのかを、地球物理学、火山学、岩石鉱物学などの手法を総合して考察する研究会を代表者らが呼び掛けて組織した。この組織による初めての公開シンポジウムを2016年5月23日に幕張メッセで開催される地球惑星科学連合年会において開催する。今後はこの組織を通じて本研究の主題を若手研究者に継承するよう努める。
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