研究課題
本研究の目的は,原始太陽におけるスーパーフレアのような高エネルギー現象の規模やエネルギーレベルを推定し,活発な原始太陽活動に関する新しいパラダイム構築をすることである.そのために,ガスリッチコンドライトにトラップされた高濃度希ガス成分のトラップ箇所を特定しその濃度の空間分布をサブミクロンの分解能で解析する.従来このような希ガス分析は実現不可能であったが,新開発の同位体ナノスコープが実現可能にした.その空間分布のテクスチャー解析からガスリッチコンドライトが太陽起源希ガスをトラップしたメカニズムを解明し,原始太陽活動との関連性を明らかにする.本研究により原始太陽のスーパーフレアにより太陽表面からの爆発的に放出される粒子のエネルギー分布やそのフラックスを物質科学的に解明することを目指す.本年度は以下の研究成果が得られた.1. 同位体ナノスコープを用いたHe定量法の改良を行い.サブミクロン分解能の希ガス3次元分布分析法を開発した.2. NASA GenesisミッションサンプルのHe深さ方向分布の測定により太陽風の照射機構の解析を行った.3. 太陽風Heはイオン注入深さ20nmの極浅深さ方向分布をしており,Genesisミッション時に観測されているHe速度を仮定した数値シミュレーションによる結果と整合的であった.4. 太陽風Heの単位面積当たりの注入量の定量値はGenesisミッション時に観測されたHeのフルーエンスと整合的な結果を示した.5. JAXAはやぶさミッションによるイトカワ微粒子表面の太陽風希ガス3次元分布の測定による小惑星表面と太陽風相互作用の解析を行った.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 6件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 23件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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