遷移金属触媒によるアルキル化反応の開発と応用研究に取り組んだ。主な成果は以下のとおりである。1)アルキル―アルキルカップリング反応において触媒回転数100万回を達成した。2)第三級アルキルグリニャール試薬をカップリングパートナーとする第四級炭素構築反応を開発した。3)従来よりアルキル―アルキルカップリング反応の鍵活性種として提唱していたアニオン性ニッケル錯体の単離構造決定に成功した。4)ジエンの内部炭素選択的なアルキル化反応を達成した。5)開発したカップリング反応を利用したリン脂質の全合成を達成した。さらに、炭素―フッ素、炭素―酸素、炭素―水素結合の切断を伴う触媒反応を多数開発した。
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