研究課題
イオン液体(IL)は不揮発性、難燃性、熱的・化学的安定性等の特徴を有し、さらには二酸化炭素等の酸性ガスを選択的に吸収する性質を有する。本研究では、我々の研究グループが開発した、4分岐ポリエチレングリコール(Tetra-PEG)鎖を骨格とする均一網目を用いた高強度ハイドロゲル(溶媒:水)の開発・研究をイオン液体(IL)系に拡張し、高性能イオンゲルの創成と応用を目指すことを目的とした。我々は、すでにIL中において反応末端の異なる二種の4分岐ポリエチレングリコールを反応させることで、耐熱性・力学強度に優れた高強度イオンゲル(テトラペグイオンゲル)を開発することに成功していたが、反応効率や反応速度制御に難があり、ガス分離膜等に応用可能な十分な力学強度をもつ薄膜の作成の実現には至っていなかった。そこで、本研究では、4分岐ポリエチレングリコール(テトラペグゲル)のゲル化反応速度論、網目欠陥制御と網目欠陥含有ゲル網目の構造解析、プロトン性IL緩衝剤の開発、プロトン性ILを用いた反応速度の制御法を確立し、テトラペグイオンゲル高強力薄膜の開発と二酸化炭素分離能評価、強力イオンゲル薄膜の調製、および、そのガス透過選択性および二酸化炭素吸収特性の評価などを行った。特に平成27年度においては、テトラペグゲルのゲル化反応化学の速度論的研究および二酸化炭素分離能の評価を行った。これらの成果は、アメリカ化学会高分子専門誌等に掲載され、イオン液体を媒体とする高分子ゲルの調製法のみならず、反応化学、分析化学、分離科学等に大きな貢献をした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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