研究課題
平成27年度はリニアプローブとPNAとの併用によるDNA二重鎖へのストランド・インベージョンによる蛍光標識を検討した。前年度、ストランドインベーダーとして機能するリニアプローブには、エチニルペリレン(蛍光色素)とアントラキノン(消光色素)が有効であることを見出した。そこでアントラキノンおよびエチニルペリレンを天然のヌクレオチド2残基ごとに導入し、アントラキノンとエチニルペリレンの間に天然のヌクレオチド3残基導入したリニアプローブを設計した。このリニアプローブはターゲットDNA非存在下では強くクエンチされていたため、ほとんど発光しなかった。また相補的なPNAとはほとんど二重鎖を形成せず、そのためPNAが共存してもエチニルペリレンはからの発光は一本鎖の場合と同様ほとんど観察されなかった。それに対してターゲットDNA存在下では安定に二重鎖を形成した上、エチニルペリレンのインターカレートに基づく強い発光が観察された。この結果よりリニアプローブとPNAの組み合わせはストランド・インベーダーの条件を満たすことが分かった。そこでプラスミドpBR322の一部の配列をターゲットにしたリニアプローブとPNAを設計し、50merの合成DNA二重鎖を使用してインベージョンが起きるか試したところ、ターゲット配列が末端にある場合には40℃でインキュベーションすることで容易にインベージョンが起きることを見出した。インベージョンに伴い蛍光増強も観察され、二重鎖が蛍光ラベルできることも確認した。ターゲット配列が中央にある場合はPCRと同様のヒートショックをかけることで容易にインベージョンが起きることも明らかにした。インベージョンは500merあるいは300merのPCR産物でも実現できた。従来のpcPNAの場合と異なり、100mMという通常の塩濃度でもリニアプローブとPNAの組み合わせではインベージョンを実現できた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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