二次元の足場としてDNAナノ構造体を利用して、複数種の酵素をナノメートル精度で1分子ずつ数量と配向を精密に制御して配置した反応場を構築した。異なる塩基配列で選択的に共有結合を形成する三種類のアダプターをキシロース還元酵素、キシリトール脱水素酵素そしてキシルロースリン酸化酵素に融合して、DNAナノ構造体上に配置したところ、三段階の酵素反応によるリン酸化キシルロースの生成が増大した。酵素を組み合わせてナノスケールで配置した反応場を構築することにより、多段階の物質変換反応をワンポットで高効率に達成する「分子コンビナート」という新しい化学分野の端緒を開いた。
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