研究課題/領域番号 |
25249025
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
横井 浩史 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90271634)
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研究分担者 |
高山 真一郎 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (40138045)
生駒 一憲 北海道大学, 大学病院, 教授 (70202918)
加藤 龍 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70516905)
下条 誠 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90292474)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 人工皮膚 / 全方位センサ / 干渉駆動 / ワイヤ牽引駆動 / 意図推定法 / P300 / 注目度 |
研究実績の概要 |
本年度は,研究計画に沿って,下記の3課題に対して研究を実施した. A-2) 手指表面のテクスチャを模倣し,全方位センサを内蔵した人工皮膚の開発.高伸縮性を持つエラストマーゲル材料を用いて,指紋,掌紋,しわ,および血管による突起などをリアルに再現した人工皮膚を開発した.シリコーンゲルとカーボンブラックとを配合した導電性材料を人工皮膚の内側に塗布することで,コスメティック性,伸縮性,導電性を有した人口皮膚を実現した.触圧機能を有するコスメティックグローブの実現可能性の検討を行った.加圧されると導電性材料率の導電率が変化するので,全方位の触圧機能の実現可能性が明らかになった. B-2) 干渉駆動構造を用いた肩と肘,手首の関節の構築と制御法の開発.高い把持力および運動自由度と,軽量性とを両立するためにワイヤ牽引機構を採用し,パラレルワイヤ型干渉駆動関節機構を考案した.干渉駆動関節の角度の制御精度を向上させるため,関節独立駆動の場合と干渉駆動の場合のワイヤ牽引量と関節角のモデル,およびモーター回転角とワイヤ牽引量とのモデルを構築した.またモデルにあるパラメータの最適化を行うため,パラメータのキャリブレーションの方法を提案した.このモデルに基づいたオープンループ制御は,関節角度を従来手法より高い精度(85%~91%)で制御できた. C-2) 脳波P300を用いた注目箇所の意図推定法の開発.指にランダムに点滅するLEDを取り付け,LEDを注目する際に被験者の脳波P300を小型ワイヤレス脳波計Emotive Epocで計測し,脳波P300に基づいて,被験者を動かしたい指を特定する意図推定法を開発した.意図推定の精度の個人差があるものの,長期間(3ヶ月)の訓練により,90%の精度が得られる可能性が示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の研究要素は,全方位センサの開発と感覚フィードバック,アームとハンドとでなる義手の開発と制御,脳の適応状態の計測および意図推定との3つに分けられる.本年度は,それぞれの研究要素計画した項目を遂行した上,最終年度に向けた研究開発も行ったので,「当初の計画上に進展している」とした.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに進めて行く.開発した個々の技術要素を統合し,上肢・前腕を対象とした筋電義手を構築し,全方位感覚と感覚フィードバックによる自己所有感の誘発方法を明らかにする.開発した筋電義手を異なる年齢層の被験者に適用することにより,技術の高度化と研究成果の実用化に向けた改善を行う.
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