研究課題
化学反応の検出,化学反応の制御,物質の効率的な輸送を半導体集積回路上で行うことにより様々な化学反応をチップ上に集積した化学集積回路の実現を目的に研究を着手した.この化学集積回路は,医療・環境・健康への応用が最も期待される分野である.検査診断システムにおいては,その取扱いに専門性を要せず短時間で分析可能で,ユビキタス情報社会と整合性の高いことが求められ,その上で極微の生体分子を検出することが最重要課題となる.本研究の主な目的は,生体分子の増幅を行いながら化学反応の検出を行う化学集積回路の実現にある.化学反応を検出するために,電気化学計測のCMOS集積回路を新たに設計した.電位検出型64x64センサアレイ,電流検出型32x32センサアレイ,電位・電流・インピーダンス計測を統合したマルチモーダル型16x16センサアレイを設計した.従来の回路を改良すると伴に,インピーダンス計測用のオンチップ検波回路およびローパスフィルタを新たに設計し,要求性能である10MHzまでの高周波信号を検出する見通しを得た.更に,バイオ信号を電流のパルス幅に変換し,時間ディジタル変換によりディジタル化する新たな回路を考案し,時間分解能で3桁の性能向上が得られる見通しを得た.また,化学反応の制御,物質の効率的な輸送のために,ポリイミド保護膜‐SU8マイクロ流路-ステルスダイシングのポストCMOS集積プロセスを検討した.当初,ポリイミド残渣によるワイヤボンディング不良問題が発生したが,ボンディングパッドの構造およびプロセスの改良により解決の見通しを得た.更に,PDMSマイクロ流路-シリコーン/Oリング/溶液ホルダによる実装系の検討を行い,電気配線・溶液送排出の統合に対する見通しを得た.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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