研究課題/領域番号 |
25249056
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
唐沢 好男 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40313407)
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研究分担者 |
藤井 威生 電気通信大学, 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター, 教授 (10327710)
山尾 泰 電気通信大学, 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター, 教授 (10436735)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 環境適応通信 / ベースバンド無線 / ソフトウェア無線 / コグニティブ無線 / 受信系非線形問題 |
研究実績の概要 |
(1)ベースバンド無線の特徴を生かした通信方式の研究:数百MHzから1GHz以上の広帯域の有効利用を目的とした2つの方式「帯域内に複数存在するホワイトスペースを帯域を超えてコヒーレントに信号処理を行うDSFBC送信ダイバーシチと、拡散利得を1000倍以上にして超低電力密度で通信を行う周波数拡散型ベースバンド無線の提案を行い、双方について、周波数選択制フェージング環境を実現する電波反射箱利用による通信実験を行って、その有効性を確認した。 (2)受信側における全帯域一括復調に伴う受信機飽和問題と対策:広帯域受信では帯域内に強い干渉波が入力すると受信機飽和による非線形問題が発生するが、その発生量の定量的評価と、簡易な構成で精度よく干渉波の周波数を特定する方法の提案を行った。また、RF回路の非線形の無線信号への影響をベースバンドで補償する方法は有望な方法であるが、複数のアンテナを用いるビームフォーミング送受信では、この非線形補償の回路規模が大きくなるという問題があった。これに対し、ひとつの非線形補償器で複数の送信機の補償を共通として行った場合の効果を、送信機の非線形モデルを用いて明らかにした。 (3)通信環境・電波環境の認知技術:どの周波数帯域をどのように活用するのかについて検討を行った。本年度は周辺環境認識技術として、スペクトラムデータベースの保持する既存システムの電波伝搬状況を参照して複数の無線信号が混在した環境で既存システムの有無を判定するスペクトラムセンシング手法を提案した。加えて、複数帯域の空間的な空き状態を元にチャネルを適応的に選択する手法の検討を行い、空き帯域の周長面積比が選択指標として有効であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研究の本質的なところにおいて、大きな進展がった。それらは、まだ、研究会や国際会議など口頭発表レベルの成果にとどまっているが、複数のジャーナル論文としてすでに投稿もできており、来年度(=最終年度)において、成果のまとまりが具体的になると期待している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、アレーアンテナの利用という意味で、送信ダイバーシチ(MIMO構成)の研究を行ったが、それをさらに発展させて、送受信アレーアンテナ構成(MIMO構成)でのベースバンド無線の可能性を追求したい。また、それらの研究成果をジャーナル論文へ投稿し、最終年度としてのまとめや新たな展開のシナリオ作りをしたい。
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