研究課題
人体の各部は、運動中はもちろん、就寝時においても複雑な運動をしている。申請者らはUWB(超広帯域)パルスレーダーを用いて、目標の運動に伴う微小なドップラー偏移を検出し、時間・周波数領域で複数目標を分離した上で、干渉計法の原理によって複雑形状物体の位置、形状、運動を把握する手法を開発してきた。本研究ではこれらの手法を人体の運動に特化し、実用性能を向上させて、さまざまな社会的ニーズに対応できるイメージング手法を実現することを目的とする。最終年度となる本年度は、実験とシミュレーションを併用して、これまでに開発・提案してきた各手法をより高度化、高速化し、実用化が可能なレベルに改良を進めた。A. 周波数領域干渉計(FDI)法による近接反射波の分離と高精度決定:本手法は主に医用超音波イメージングの分野で応用が進み、急速に発展している。本年度は、探索が不要で演算負荷が低いESPRIT法を導入してさらなる高速化を実現すると共に、時間領域干渉計法(TDI)を併用することにより、距離に加えて速度領域での分離を可能とし、近接目標の分離精度を向上させることに成功した。B. 複数方向からのドップラー干渉計法による多数目標の2次元分離追跡:本年度は、これまでに開発した手法に目標追跡アルゴリズムを導入し、79GHzレーダーを用いて実際に複数歩行人体を測定して結果に適用して、実用に堪える分離と追跡性能を有することを検証した。C. 圧縮センシングを用いた高解像度時間・周波数分離手法の開発:本研究では、遠隔バイタルモニターにおいて大きな問題となる呼吸と心拍の成分を分離する手法としてトポロジー相関法を開発し、その有効性を検証してきた。本年度は、これまでに開発してきた時系列処理技術に、課題Aの空間分離技術を統合し、近接した人体のバイタル信号の同時計測に成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件、 招待講演 4件)
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